最終更新日:2018.12.01

 

はじめに・・・

どうも、学校給食調理員のあっくんです。

 

『安全で美味しい給食作りを心掛けます』と、
しばしば、学校側にご挨拶をするときがあります。

 

 


『安全、安全』って、
そもそも何のことでしょうか?


 

僕たち学校給食調理員は、
保護者の方々から、
大切なこどもたちの命を預かっています。

 

我々が、食中毒を出してしまえば、
こどもたちの命に関わる大問題になります。

大量調理となれば、異物混入も
よく聞く問題です。

釘、ねじ、ビニール片、虫、髪の毛など、

口にしてしまったら、その子の
一生のトラウマになってしまうかもしれません。

 


『異物混入防止対策』について、
詳しく解説してる記事があるので、
宜しければ、こちらをご覧ください。


 

 

 

アレルギー対応も非常に重要で、
これもまた命に関わります。

 

 

あっくん
僕が学校給食調理員を始めた頃に比べると、
近年の学校給食でのアレルギー対応は、
とても細かく厳しくなってきています。

 

 

僕達、学校給食調理員という仕事は、
とても重たい責任を背負って、
日々業務に取り組んでいるのです。

ただ、美味しいもの作るのではなく、
安全というのが大前提で、
美味しいものを提供していかないといけません。

 



 

今回はその安全の中でも、

 

●学校給食における食物アレルギーについて
●アレルギーの増加の理由
●実際に起きた事故
●アレルギー申請の流れなど
●文部科学省のアレルギー事故防止マニュアル

 

これらのことを詳しく解説していきます。

 

 

 


昔に比べ、アレルギーの子が増えている理由

過去に比べて、アレルギーのお子さんが
増加している傾向にあります。

 

 

あっくん
なぜ、増加したのかわかりますか?

 

 

ファーストフード、食事の欧米化、
小麦や乳製品の摂取が昔に比べ、
確実に増えたからです。

元々、日本人の身体には、
欧米の食事は、合いません。

欧米人とは外見だけではなく、
体内のつくりも違うのです。

 

これらのことが、大きな原因ではありますが、
その他にも原因はありました。

 

それは保護者が過保護すぎること。

 

子どもをアレルギーにしたくないからと、
原因となりそうな食物を除去している、
保護者がいますが、それは逆に、
アレルギーを作っているようなものです。

 

 

あっくん
免疫システムは生後6ヶ月から2歳くらいまでが、
もっとも活発に活動します。
この時期に不要な除去をすることは、
赤ちゃんの生涯にまで影響してしまうのです。

 

 

どうやら、アレルギー検査が普及したお陰で、
不要な除去指導がされてしまい、
アレルギー児童の増加に繋がっているみたいです。

 

保護者は不安感からアレルギー検査を求め、
医師の方もリスクを避けるために除去食を勧める。

これが、負の連鎖となり、
アレルギー増加に繋がっていくのです。

 

 

 


献立が忙しいからは理由にならない

栄養士の独自献立のエスカレートにより、
動線が複雑化し、通常の調理が忙しいのに、
さらにプラスして、細かいアレルギー除去対応に追われ、
正直いっぱいいっぱいの、
給食調理員の方々もいらっしゃるかと思います。

 

ですが・・・、、
アレルギーは1つ間違えれば、
大事故に繋がり、児童の
命に関わることにもなりかねません。

 

『栄養士の献立のせいだ!』なんてことは、
何の理由にもなりません。

結果は、給食調理員のミスになるのです。

もちろん、アレルギー対応は、
給食調理員だけの問題ではなく、

校長、担任、栄養士、調理員達の、
アレルギー児童の把握がとても大切なことです。

何重のチェックを徹底しないといけません。

 

そんなチェックが、抜けてしまい、
過去にこどもの生命を奪ってしまった、
悲しい事故がありました。

 



 


実際に起きた学校給食のアレルギー死亡事故

皆さんもご存知かと思いますが、
2012年の12月に起きた小学校給食での、
アレルギー死亡事故がありました。

 

以下、簡単ではありますが、
事故の概要になります。

 

 

平成24年12月20日(木)13時25分頃。

調布市立富士見台小学校5年2組の女の子が、
給食後、体調を悪くして救急搬送されたが、
約3時間後に死亡が確認されました。

行政解剖の結果、
死因は食物アレルギーによる
アナフィラキシーということでした。

女の子は乳製品のアレルギーを持っていました。

 

 

その日の献立は、韓国料理。

【わかめごはん、牛乳、肉団子汁、じゃがいものチヂミ、ナムル】

 

じゃがいものチヂミに入っていた粉チーズが、
原因物質であり、
女の子は、普通食のおかわりを食べて、
アナフィラキシーを発症してしまいました。

 

その日、女の子には
他の児童とは別に、トレイに除去食を載せて、
調理員により、女の子本人に手渡しで
提供されましたが、
その時に、どの料理が除去食だということは、
女の子には伝えられなかったそうです。

 

女の子じたいも、
保護者からもらっている献立表
(食べられないものは、マーカーしてある)
を確認したところ、
チヂミには、マーカーがひかれてなく、
おかわりできると判断してしまい、
おかわりしてしまいました。

 

担任のアレルギー食に対しての対応も軽率で、
女の子がおかわりするときは、
必ず担任用の除去食確認表を、
担任が確認してからの、
おかわりのはずだったのに、
担任はその確認表の確認を怠ってしまった

 

 

給食後、女の子の体調が急変。

その後の担任と養護教諭による対応も、
アレルギーによる症状からで、
アナフィラキシーを起こしていると、
すぐに判断し、

【※エピペン】を打っていれば、
女の子は命を失うこともなかったかもしれません。

 

 


エピペンとは?

成分はアドレナリン(エピネフリン)。
アナフィラキシーショックに対して有効な薬品。

アドレナリンには気管支を広げる作用や
心臓の機能を増強・血圧を上昇させ、
ショック症状を改善する作用があります。




入学 ~ アレルギー申請の流れ ~ 日々の連絡

アレルギー申請の大まかな流れです。

 

説明会や面談で万全の体制を整えています。
学校給食でのアレルギー死亡事故があり、
数年前から学校側も対応には細心の注意を
払っています。

※学校などにより、違いはあると思います。
あくまでも参考程度にお願いします。

 


申請できる時期は?

 

★1年生になったとき(入学時)
就学時健康診断、保護者会などで、
学校のアレルギー対応を説明します。
そのときにアレルギー調査票が配られます。
アレルギー対応を希望する保護者には、
学校生活管理指導表を必ず提出してもらいます。


★進級時
前年度の後半に、
来年度も対応を継続するのか、
取り下げるのか、申請します。


★新規発症、診断および転入時

 

 

入学前に、

「アレルギー対応ができる食材」
「申請方法」についての説明があります。

 

学校に提出する医師の診断書などの書類も、
ここでもらいます。

 

そして給食が始まる前に、
学校で個別面談を実施。

 

栄養士・担任・養護教諭・校長も加わり、
アレルギーの詳細について、面談をして、
給食の開始に備えます。

細かいアレルギー成分表を見て、
親子で毎日チェックします。

対応してくれるアレルギー食品は、
小麦、卵、乳製品、大豆、ごま、麺、
魚介類(えび、かに、あさりなど)、
果物、野菜など

 

 

あっくん
可能な限り、除去対応しますが、
できないものは、似たもので、
代わりのおかずを
持参してもらうことになります。

 

 

学校からは、毎月の献立の成分表が
事前に手渡されます。

 

担任や栄養士も同じ書類を見て、
トリプルチェックします。

チェックをし忘れると、
そのままアレルギーのある料理が
配られてしまうので、大変危険です。

 

そのため事前に担任や栄養士と相談して、
連絡帳と別に
「アレルギー給食ノート」を用意。

毎日、
「今日はこのメニューが食べられません」
「今日はすべてOKです!」など、
保護者が毎日、連絡をする学校もあります。

 

クラスで、おかずを取り替えないよう、
クラスの生徒達にも説明がされます。

 

アレルギー除去食は、
他の生徒とは別のカラー食器に盛り付けたものが
調理員から担任の先生に手渡しで提供されます。

 

食札に名前、何のアレルギーなのか、
今日は何が除去されているのか等の、
記載がされています。

 

 


文部科学省のアレルギー対応についての指針

 

 

あっくん
文部科学省では、
学校における食物アレルギー事故防止の
徹底を図っています。

 

 

教育委員会、学校及び調理場において、
食物アレルギー対応に関する具体的な方針や
マニュアル等を作成する際の参考になるよう、

学校給食における食物アレルギー対応の
基本的な考え方や留意すべき事項等を示した指針
ホームページ上に公開しています。

以下、簡単にまとめてみました。

 

 


○給食提供

①食物アレルギー対応を行う児童の情報共有
管理職は、全教職員に対応を周知徹底。
特に栄養士・調理員に対応の徹底を指示。
保護者へも対応内容を通知し、
個別の取り組みプランについて説明して、
書面で了解を得ます。

 

②調理器具・食材の管理

【調理器具】
・対応食専用の調理器具や食器類を使用する。
(色の違う食器やトレイにする等)
・一般の調理器具や食器類と区別して保管。

【食材】
・対応用食材は、他の食材と区別して保管。

 

③調理担当者の区別化
・対応食担当の調理員を区別することで作業の単純化、
引継ぎによるエラーを防ぎます。

・調理員は他と異なる色の専用エプロンを
着用するなど区別化をして作業すると良い。

 

④調理作業の区別化
・ 専用室がない場合に、作業区域は区分されたスペースを設置。
・当日のアレルギーをホワイトボードに記載。
・調理器具や食器などを分ける。
・作業担当者のエプロンの色分け。

 

⑤確認作業の方法・タイミング
・ 調理員は検収、調理、配食時にチェック表に記入。

・担任は受取時、給食中、その後の観察をチェック表に記入。

 

⑥調理場における対応の評価




○体制作り

①実施献立・調理手順の確認
前日あるいは当日の朝、
全員でアレルギー対応作業の細かい打合せ。
・対応が必要な児童生徒、出欠状況。
・ 除去、代替えする食品と献立。
・調理の担当者、手順、使用する器具。
・取り分けるときのタイミング。

 

②対応食の調理手順
【検収】
・加工食品の原材料内容を確認。

【調理作業】
・担当者は違うエプロンを着用。
・区画された専用スペースにて調理。
・ダブルチェック、声出し指差し等の徹底。
・温度管理、保存食の採取、検食も行う。

 

③調理済みの食品管理
・誤調理がないか複数の調理員でダブルチェック。
・トレイの色を変えて誤配、誤食をなくす。
・献立、除去内容を記載したカード等をつける。

 

④適時、チェック作業

 

⑤実施における問題の報告

 

⑥児童や保護者との連携

 

 


○教室での対応

①給食時間における配慮
・献立内容の確認
・給食当番の役割確認
・配膳時の注意
・おかわり、喫食の注意
・片付け時の注意
・交流給食などの注意

 

②食材・食物を扱う活動等
・家庭科の調理実習などでの配慮
・食物依存性運動誘発アナフィラキシーの配慮
・校外学習等での食事の配慮

 

③アレルギー児童、学級での指導
・学級での指導や個別指導

 

④実施における問題の報告

 

⑤緊急時対応の確認

 

 


○調理場が取るべき対応

①給食対応のための環境整備

 

②調理員の研修・自覚喚起
講習会などの実施が重要。

 

③学校との連携
アレルギー対応を進めていく上で、
調理場と学校の連携は必要不可欠。

 

 

 


まとめ

昔に比べ、アレルギーが増加している日本。

 

考えられる原因は、
欧米化による食事以外にも、
保護者の過保護すぎる想いがあります。

 

そして、僕達、学校給食調理員という仕事は、

ただ、美味しいもの作るのではなく、
『安全』というのが大前提で、
美味しいものを提供していかないといけません。

 

このアレルギー対応の記事を書きながら、
僕自身もアレルギーの恐さについて、
改めて痛感しました。

 

アレルギー対応、今後も気を引き締めて、
業務に取り組んでいきたいと思います。

 

 



 

 

    
カテゴリー: アレルギー対応

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