学校給食調理員の暑い夏場の労働環境は?おすすめの熱中症対策がこちら

2018年7月26日

はじめに・・・

どうも、学校給食調理員のあっくんです。

今年も暑い夏がやってきましたね。学校の夏と言えば、思い浮かぶのは「夏休み!」ではないでしょうか?


学校給食調理員の気になる夏休みの仕組み、給料など、こちらの記事に詳細がありますので、ご覧ください。


 

しかし、僕ら給食調理員が夏休みを迎えるには、地獄である7月の給食作りを乗り越えなければなりません。この記事を書いた2018年は梅雨明けも早かったせいか、7月からの給食づくりが本当に地獄でした。僕は現在、この学校給食という仕事を始めて15回以上の夏を過ごしていますが、2018年の夏はまさに過去最高なのでは?という感想でした。

今回は夏の給食室の労働環境について、わかりやすく解説していきます。




2018年は驚異的な猛暑、過去最高

毎年、深刻する温暖化。この夏は猛暑、世界的な現象など、今後の地球の未来を考えさせられます。2018年、夏、日本各地で過去最高気温を更新するなど、記録的な猛暑となっています。西日本豪雨のような異常気象が相次ぐほか、米国やアフリカなど世界各地でも最高気温を記録しています。専門家は異常気象は長期的な地球温暖化の傾向と関係があると指摘しているそうです。

 


小1男児が重度の熱中症で死亡…

2018.7.17 学校でも重度な熱中症で小学1年生の男児が亡くなってしまった悲しいニュースが世間を騒がせました。市立梅坪小1年生の男児(6)が近くの公園で行われた校外学習から戻った後、教室で意識不明となり、搬送先の病院で死亡しました。死因は【熱射病】としており、校長らが市役所で記者会見し、『判断が甘かったと言われてもしょうがない』と謝罪しました。

同じ学校内で働く学校給食調理員。一体、夏の給食室はどのような環境なのか、詳しく解説していきます。

 


全身白衣&マスクで覆われてるけど、暑くないの?

ハッキリ言って、辛い。蒸し暑く、とても過酷な環境だと言えます。なので、ほとんどの方が毎日、着替えを持参します。下着も持ってくる人もいます。本当、Tシャツがしぼれるぐらいの汗を吸ってくれてます。大きな釜のお湯が沸いたりしているのを考えれば当たり前のことですよね。

7月の調理中の調理場の温度は37~40℃近くありました。湿度も高く、70~85%付近です。

調理室は厳しい衛生管理から外気を遮断しているので、熱がこもりやすい環境にあります。室温40℃を超える調理室というのは珍しくなく、毎年、頭痛、吐き気、めまい等、熱中症を訴える給食調理員が大勢います。

 


夏場の調理室。理想は室温25℃以下

学校給食衛生管理基準によると、「調理室は細菌の増殖を防ぐため温度25℃以下、湿度80%以下に保つ」よう定められています。ですから、衛生管理のためにも必然と調理室にエアコンは必要になるわけです。しかしながら、予算の関係上、完備されていない施設がまだまだ多いです。

 

あっくん
ある地域のデータによると、調理室のエアコン普及率は全学校の10%もないとか。

 

僕は色々な学校での給食作りの経験がありますが、(だいたい20校近く) 給食室の全施設に冷房が完備している学校に巡りあったのは、1校だけです。どこの学校にもエアコンがあるのは休憩室のみ。あとは換気扇や送風機の風、スポットクーラー等に頼るしかありません。これが学校の給食室の実態なのです…。網戸が破損等なく、しっかりしていれば、窓の開放が許されていますが、僕は調理中の調理室の窓はなるべく開けたくありません。網戸を通過してくる虫もいるからです。流石に揚げ物があるときや、蒸し物があるときは少し解放していますけどね。夏場の下処理室は基本、網戸にして窓を開けます。

※ただし、じゃがいもなどの球根皮むき器などを使用するときは、窓を閉めます。近隣の騒音になりかねない音には慎重になりましょう。

 


調理室にエアコンを着けるためには?

学校の建て替えや、調理室の老朽化により改修工事などの予定があるところでない限りはエアコンが調理室に完備されるということはまずありません。

 


午後の洗浄はTシャツ1枚でもできる?!

午後の洗浄でTシャツ1枚でも可能な自治体も出てきています。その場合、会社の方でTシャツを指定し、必ずクリーニングに出す等しなければいけません。

 


8月中に給食を作る学校も…

夏場に給食なんて作るものじゃないです。こどもたちの昼飯を確保することも大切なことですが、我ら、給食調理員の身体のことも考えてください。暑い環境で、全身白衣&マスク。忙しい献立ならば、飲み物を飲む暇もなく、熱中症で倒れてしまう方々が続出してしまいますよ。最悪の場合、命に関わることだってありえます。そんなことになってからでは遅いですよね。しかしながら、こんな状況下でも、毎年8月の終盤には給食が始まる学校も多くあります。空調設備が整っているならまだしも、ほとんどの学校が整っていないのが現状。本当に辛く過酷な労働環境です。


2020.06.27 追記
新型コロナウイルスの影響で今年の夏は、夏休みが短縮されるところがほとんどです。当然、学校はあるわけですから、給食提供もするので、調理員の労働環境の事もしっかり考えて、対策してもらわなければですね。

 


夏場の熱中症対策はどうしてる?

・休憩室は基本エアコンで涼しくしときます。
具合が悪そうな人は、すぐに休憩室に行ってもらいます。

 

・こまめな水分補給も大事です。
喉が渇いていなくても、必ず水分をとりましょう。喉が渇いてからでは、遅いですよ。それはもう熱中症の初期症状ですので、早めの水分補給に心掛けましょう。忙しいから、あとで飲もうなど、後回しにしていると、最終的に具合が悪くて、職場の方々にもっと迷惑をかけてしまうことにもなりかねないので、無理はせず、しっかり水分補給を。またチーフやサブチーフはそういう環境を作ってあげるのも大事な仕事なので、しっかりとみんなに声を掛けてあげましょう。スポーツドリンクなどの塩分や糖分を含む飲料は水分の吸収がスムーズにでき、汗で失われた塩分の補給にもつながります。塩タブレットなどを食べても良いと思います。

 

・ドライ運用を心掛けましょう。
床を濡らせば、湿度が上がります。湿度が高いと、同じ気温でも、体感温度はとても暑く感じてしまいます。ウェット校でも、なるべく周囲を濡らさないように心掛けるだけでも暑さが違いますよ。


ドライ運用については、こちらの記事をご覧ください。


 


ウォータージャグは職場に本当におすすめ

僕の職場では、前日に大量の麦茶を作り、冷蔵庫で冷やして帰ります。当日の朝、社員が出勤後、冷凍庫に入れ、パートさんが来るまでの2時間、しっかりと麦茶を冷やしときます。凍る直前の冷え冷えの麦茶をウォータージャグに入れ、みんながすぐに飲める場所に置いてあります。コップは小さめの紙コップを、随時、購入しています。その紙コップに各自、名前を書いて、使用しています。

 

実際に僕の現場で購入している紙コップ

 

約3、4ヶ月に1回の頻度で購入してます。紙コップを購入するたび、現場の方から、200円を徴収してます。

 

あっくん
約3、4ヶ月分のお茶代が200円と考えたらお得ですよね。

 

くれぐれも、みんなが飲む物なので、衛生面には気を付けて取り扱いましょう。

 

実際に現場で使用してるウォータージャグ

 

このような仕組みがされてない現場は、個々で水筒やペットボトルなどの飲み物を持参し、補給していますが、僕の紹介する上記のシステムにした方がいいと思います。水筒やペットボトルを毎日持参するのは、めんどくさいですからね。

先日、僕の現場に応援に来てくれた方にも好評でした。とても、おすすめです。

 


まとめ

いかかでしょうか。今回は給食調理員の夏場の暑さ対策について、解説させていただきました。

給食調理の仕事は夏は暑く、冬は寒く』と、労働環境がとても厳しい職種です。平社員やパートの皆様の方々。仕事に没頭して、水分補給を忘れずに。忙しいからって、我慢するのは止めましょう。喉が渇いているのでしたら、それはすでに熱中症の初期症状だと思ってくださいね。責任者や副責任者の方であれば、部下達にしっかり声をかけて、水分補給や休憩に行かせてあげてくださいね。

栄養士の方であれば、夏場の揚げ物や蒸し物はなるべく控えめにして熱が出にくい献立をたてていただきたいところですね。みんなで声を掛け合い、この暑さをのりきりましょう。