学校給食パートの社会保険料について

2022年5月25日

現在、学校給食パートで、

週5フルタイム(9:00〜15:00)で働いてる方々に悲報でございます。

 

今後、そんなにガッツリ働くと、

社会保険に加入しなければいけなくなります。

 

なぜなら、社会保険の加入範囲が拡大しているからです。

国はパートからも、お金を巻き上げて、大きく膨らむ社会保険の財源を確保しようとしています。

 

社会保険に加入するということは、今の給与の手取り額が大幅に減ることになります。

これは家計にも大打撃・・・

 

 

あっくん
こどもの学費、家のローン、リフォーム等、これからお金が必要な方も多くいることでしょう。

 

今回は、社会保険の加入範囲が広がることにより、学校給食パートの働き方がどう変わっていくのか?

社会保険に加入するメリットやデメリット等を解説していきますので、参考までにご覧下さい。

 

本記事の内容

・社会保険について

・社会保険加入範囲の拡大について

・給食パートの社会保険料は?

・加入するにあたりメリットやデメリット

・今後の学校給食パートの働き方

 



 

社会保険について

社会保険と聞くと、正社員というイメージがありますが、時代は刻一刻、変化しています。

今後は大半のパートが社会保険に加入することになりそうです。

 

なぜなら、時代は少子高齢化社会・・・

 

あっくん
最終的には、働いている者、全ての方から社会保険料を回収してしまうつもりなのでしょう。

 

そんな社会保険について、まずは何なのか簡単に解説させていただきます。

 

 

社会保険とは?

国民の生活保障が目的で設立された公的保険制度。

疾病、失業、労災、介護などのリスクに備え、事前に雇用者または雇用主、あるいは両者が社会的供出をすることで、保険によるカバーを受ける仕組みになります。

 

 

社会保険の種類について

社会保険は以下5つの保険の総称になります。

 


・医療保険
(病気やケガ、入院などの万一のときに保障してくれる保険制度)


・年金保険
(老後に老齢年金を受け取れます。被保険者が死亡した場合に遺族に支払われる遺族年金もあります。)


・介護保険
(介護が必要な高齢者を社会全体で支える仕組み)


・雇用保険
(労働者の生活の安定や就職の促進、職業の安定、失業の予防や、雇用機会の拡大を目的とした保険)


・労災保険
(業務中や通勤の際のケガや病気に対しての治療費の補償や休業した場合の賃金補償を行う制度)

 

 

社会保険加入範囲の拡大化

2016年から段階的に社会保険加入条件が広がっているのをご存知でしょうか?

すでに大手企業(社員501人以上)の給食会社では、2016年より、パートの勤務日数・時間の調整に入っていると思いますが、中小企業の給食会社でも、いよいよパートの社会保険加入が義務付けられることになります。

2022年10月より、従業員が101人以上の企業を対象に社会保険の加入範囲が広がります。

・月給88,000円以上(年収106万以上)
・週20時間以上
・雇用期間が2ヶ月以上
・学生でない 

↑これら全てを満たすと社会保険に加入しなければなりません。

※2024年には更に範囲拡大。従業員が51人以上の企業も対象になります。

 

 

給食パートの社会保険料について

それでは、毎月いくらぐらい社会保険料を支払って、実際に手取り額がどれぐらい減ってしまうのか?

イメージしやすいように具体的な金額を知りたい方も多いのではないでしょうか。

 

あっくん
簡単ではありますがザックリと計算していきます!

 

※各学校で給食回数が違かったり、地域により時給も違ければ、健康保険料額も変わってきますので、あくまでも参考程度にご覧下さい。

 


【モデル Aさん】

都内で働く40歳パート
時給1,040円
勤務時間 9:00〜15:00(休憩0.5H)


↑こちらの方の例で、だいたいの保険料を計算していきたいと思います。

 

社会保険料は4、5、6月の給料で決まります。

暦通りに計算してみると、

4月分 勤務日数16日 1,040円×5.5×16=91,520
5月分 勤務日数19日 1,040円×5.5×19=108,680
6月分 勤務日数22日 1,040円×5.5×22=125,840

91,520+108,680+125,840=313,500

326,040÷3=108,680 ←報酬月額

等級7  107,000〜114,000円

健康保険料(介護保険も含む)
12,804÷2 = 6,402円

厚生年金保険料
20,130÷2 = 10,065円

雇用保険
総支給額の0.3%を掛けた金額
100,000×0.003 = 300円

6,402+10,065+300 = 16,767円

 

毎月 16,767円の支払い

16,767 ✕ 12ヶ月 = 201,204

 

年間だと、201,204円の支払い

 

 

毎月の年金はどれぐらいもらえる?

それでは、社会保険に加入することで、老後の年金がいくら増えるのか計算してみます。

40歳なので、今から20年間、支払うとして、

標準月額×5.481/1000×加入月数(240ヶ月)

87,000×5.481/1000×240=114,433円

毎月9,536円 給付される

↑現時点での計算なので、20年後には計算方法が変わり、もう少し少ない計算に変わります。

 

 

社会保険加入のメリットやデメリットは?

メリット

・傷病手当(1日約2,000円 最大1年6ヶ月貰える)
・出産手当金

・老齢厚生年金:老後の年金が増える(約1万)
・遺族厚生年金:死亡時の遺族保障
・障害厚生年金:所定の障害状態に該当したときの保障

・基礎年金部分に報酬比例部分が上乗せされる
(国民年金6.5万+厚生年金0.95万程)

社会保険に加入していることで、要件を満たせばパートでも傷病手当金や出産手当金、出産一時金などが受給できます。けがや病気で働けなくなった時の保障、出産後の休業手当など国民年金や国民健康保険では受けられない手厚い保障が得られる点は、大きなメリットです

 

デメリット

・ご主人の家族手当や扶養手当が外される
・ご主人の所得税が増える
・純粋に手取り額が減る(103万を超えるとさらに所得税の支払いが出てくる)

 

 

収入の変化について

もし、社会保険に加入しないように制限しながら、働くとどれぐらいの稼ぎ方になるのか?

 

シュミレーション

週5で1日5.5h週4で1日 4.5〜5.0h
1月¥91,520¥69,100
2月¥102,960¥74,000
3月¥85,800¥64,100
4月¥91,520¥79,000
5月¥108,680¥79,000
6月¥125,840¥93,810
7月¥68,640¥49,300
8月¥15,720¥14,680
9月¥114,400¥83,900
10月¥108,680¥83,900
11月¥108,680¥88,800
12月¥91,520¥70,100
合計約111万円約85万円

 

今までトータル約111万円
(これに月1〜2回休むと103万円に調整可能)

ここから社保(年間・約20万円)を引くと、

111万−20万=91万
週4の4.5〜5.0Hに制限→約85万円

社保に加入しないで制限しながら働く場合、

85万−0万=85万

 

↑今まで通り、週5で9時〜15時で、めいいっぱい働いた場合と、社会保険の加入条件に引っかからないように週4で9時から14時半までと、制限しながら働いた場合では、手取り額の差は5万円程で、ほとんど変わりません。

むしろ、ご主人の扶養からはずれる方が、トータルの家計としては赤字になる可能性が高いということです。

それなら、週4で4.5〜5.0Hを緩く働いた方が生活にも、ゆとりが持てて良いのではないでしょうか?

 

以上のことから、給食パートは社会保険に加入しない一択になるかと思います。社会保険に入るのであれば、社員として働いた方が良いです。

 

 

社会保険に加入しないように給食パートが働くには?

 

あっくん
手取りを減らさない(社会保険に加入しない)ためにも、今後は勤務日数や勤務時間の調整が必要になってきます。

 

それでは、どうやって制限していくか?

 

純粋に勤務日数や勤務時間を減らさなければいけません。

9:00〜15:00で働くのであれば、週3.5日で働く感じです。

 

2022年10月以降は時間枠を設けたシフト制に変えて、働くのもありです。

責任者の方は、シフト作成という業務内容が増えてしまうので大変になってしまいますが。

(例)
A. 9:00〜12:30 (3.5h)
B. 9:00〜13:30 (4.0h)
C. 9:00〜14:00 (4.5h)
D. 9:00〜14:30 (5.0h)
E. 9:30〜13:30 (3.5h)
F. 9:30〜14:00 (4.0h)
G.10:00〜14:00 (3.5h)
H.10:00〜14:30 (4.0h)

 

↑献立内容、2食器、食数の増減、調理員数により、その日のシフトを現場の工程を作成する責任者(チーフ)が考えると良いですね。

 

 

社会保険に入らず、稼ぐ抜け道はあるのか?

 

例えば、

・午前中は学校給食で働く
・午後はコンビニで働く

 

のように、ダブルワークするというのもありです。

要は88,000円を越えなければよいわけなので、学校給食で88,000円を越えないように働きながら、夕方からだったり、給食が休みの日は、コンビニや飲食店で短時間、働くといった働き方。こちらでも88,000円を越えなければ問題はありません。

ただし、気をつけなければいけないことがあります。合算して、年収が130万円を超えると国民健康保険と国民年金に自身で加入することになり、年額30万円程度の保険料負担が発生するので、調整しながら働くようにしましょう。

ただ、そこまで、ガッツリ働くのであれば、調理師免許を取得して、正社員になって、働いた方が良いと思います。

自分も給食調理員をしながら、バイトをやっていますが、二足のわらじを履くのは正直きついです。

 

 

まとめ

いかがでしょうか。

今回は学校給食パートの社会保険加入について、どうするべきか考察していきました。

学校給食パートが社会保険に加入するということはとにかく手取りが減るというのが最大のデメリットと言えるでしょう。

社会保険料を支払いたくない方は今後は週3〜4で調整しながら働けば良いだけですが、

パートの収入を大きく落としたくない方は、この機会に社員になるとか、掛け持ちでダブルワークを始めてみるのもありでしょう。

月88,000円から68,000円になるという話も出ていますので、冒頭でもお話しましたが、いつかは働くものすべての方が社会保険に加入しなければいけなくなるかもしれませんね

ただ、社会保険を払うからといって、デメリットばかりではありません。

その分手厚い保障が受けれたり、将来の年金額が増えるため、決して損しているわけではありません。

それらのことも加味して、今後の働き方について、今一度、よく考えてみてはいかがでしょうか。