お弁当給食の作業工程やポイントは?こどもが喜ぶ「弁当のおかず15選」
緊急事態宣言も解除され、全国の学校も分散登校や簡易給食、お弁当給食などでスタートを迎えようとしていますね。
今回は学校給食のお弁当について解説していきます。
・お弁当給食について
・お弁当の人気おかず15選
目次
お弁当給食について
お弁当給食とは?
お弁当給食は年に数回ある学校行事のイベントです。(自治体によってはないところもあります)
給食室で主食、主菜、副菜を作り、弁当箱につめて提供します。こども達は「たて割り班(異学年で班を作ること)」でお弁当を食べることにより、交流する時間を楽しむという企画内容です。
お弁当にすることで、クラスでの配膳作業を省略し、感染リスクを下げるというのが今回のお弁当給食の目的になります。この意図はわかりますが、「お弁当給食にすればいいなんて、簡単に言うのやめてもらいたい…」というのが調理員側の本音ではあります。まぁ、仕事なので、やれと言われればやりますけどね。
なぜ、やめてもらいたいかと言うと、普段の給食と比べると作る過程がだいぶ違うので、トータルすると仕事量が格段に増えるからです。
それでは何が普段の給食と違うのか見ていきましょう。
いつもの給食と違うところは?
・詰め込む作業がある
詰め込む作業時間を考慮しないといけないため、いつもより早く調理を終わらせなければなりません。お弁当給食の日はパートも含めて、早出が必須になります。調理終了時間は喫食2時間前ですが、弁当給食に限ってはそんなことは言ってられません。お弁当の献立内容や調理員の人数にもよりますが、栄養士はしっかり時間内でできる献立作りを考慮しないといけません。献立に気合いを入れすぎて、結果、食中毒でも起こしてしまえば、何のための給食なのか分かりません。
・いつも以上に人手が必要
詰め込む作業に人手が必要になるので、いつも以上に人員が必要になります。会社に応援をお願いして、他の現場から応援が来たりもします。おかずが増えれば増えるほど、詰め込む作業が増えるので、その分、手がかかります。
・衛生面をいつも以上に気を付ける
衛生を意識して、お玉、トングなどの食具を使用しての詰め込みをするのが理想ですが、それでは時間が間に合わなくなります。衛生手袋を着用して詰め込む形になりますが、その衛生手袋で食品以外の余計な所を触らないように気をつけましょう。二次汚染に繋がります。
・午後の業務が早く終了する
使い捨ての容器なので、いつもの食器等の洗浄がないため、午後の業務はいつもより早く終わります。ここはお弁当給食の利点でもあります。
お弁当給食の1日の流れ
実際にお弁当給食を実施した時の内容 | |
食数 | 350食 |
従業員数 | 調理員 7人 (社員3人 パート4人) |
献立内容 | |
主食 | 赤飯 |
主菜 | 鶏の唐揚げ |
卵焼き | |
ウインナー | |
副菜 | ホウレン草とコーンのソテー |
ミニトマト | |
ブロッコリー | |
果物 | 巨峰 |
6:30 出勤
いつもより気持ち早めに出勤します。
6:45 下処理、調味料計量
7:00 切りもの
献立によっては1人2個、3個と野菜がつくように数を考えて切ったりします。
(ポテトフライのイモの数、煮物の大根や人参の数など)
8:00 茹でもの
8:30 パート出勤
パートさんが30~60分、早出してくれます。
8:50 調理開始
オーブン&揚げ物&炒め物
9:10 炊飯
10:00 調理終了
10:10 弁当詰め込み開始
大きな作業台に弁当箱を並べていきます。
7人で8品を100個詰め込むのに30分目安
主食→主菜→副菜と詰めていくと、大きいものから詰め込むと、隙間なくバランス良く詰められます。主食は全員で詰め込み、おかずはそれぞれ担当を決めて詰め込んでいくと良いです。
11:50 詰め込み終了
12:00 運搬
12:15 お弁当給食開始
お弁当給食のポイント
・衛生手袋は多めに用意しとく
・早出が必要
・詰め込む作業スペースの確保
・おかずはなるべく個数物に
魚、卵焼き、ミニトマト等は詰め込む時に簡単で良いですね。煮物等の時も野菜の数を数えながら切ると良いです。
・食中毒に気をつける
お弁当は作ってから、食べるまで時間があいてしまうことが多いため、食中毒を防ぐには十分な注意が必要です。食材は中心まで十分に加熱しましょう。容器に詰める前に、しっかり冷ますのも衛生上、大切です。
・二次汚染に注意する
・異物混入に気を付ける
全てが詰め込むまで、蓋が出来ないので虫等が入ってしまうリスクが高いので気をつけましょう。輪ゴム等を取り扱う場合も異物混入にならないように細心の注意を払いましょう。
・時間配分をしっかりと
間に合わなくならないように、余裕を持った時間配分にしましょう。
お弁当について知ろう!
ここからは給食だけではなく、ご家庭でも「手作りお弁当」を実践する際に役立つ情報を解説していきます。彩り、味、栄養バランスが整ったお弁当作りを心掛けましょう。
お弁当のバランスは?
バランスが良いお弁当とは、
「主食3:主菜1:副菜2」と言われています。
ごはん、パン、麺などの炭水化物のこと。体を動かすエネルギー源になります。
主菜とは?
肉、魚、卵などのタンパク質が多いメインのおかずのこと。血液や筋肉など、カラダの組織を作ってくれます。
副菜とは?
野菜、きのこ、海藻などのビタミンやミネラルが多いおかず。主菜では足りない栄養を補うのが副菜の目的であり、体のバランスを整えてくれます。
こどもが喜ぶお弁当の「おかず15選」
鶏の唐揚げ
お弁当と言えば、間違いなく鶏の唐揚げですね。時間が経っても美味しい唐揚げにしたいのなら、下味時間は少なめで、よく汁気を切りましょう。薄力粉+米粉もオススメ。
給食の懐かしい唐揚げ作りのポイントについてはこちらをご覧下さい。
肉団子
甘いタレが絡んだ肉団子も子供ウケが良いですね。しかしながら、お弁当給食で手作り肉団子は時間的に非現実的です。みんなで成型してるうちにタイムオーバーになりかねません。冷凍肉団子を使用するなら◎です。
とんかつ
とんかつ弁当。サクサクでジューシーなボリューム満点の豚カツはこどもから大人まで、世代を問わない不動の人気メニュー。しょうゆをお肉に軽く下味することで、風味よく仕上がりオススメ。
コロッケ
低コストで作れるコロッケはぜひお弁当に取り入れたい1品。カレー粉を入れて、カレーコロッケにアレンジするのもオススメ。1からの手作りは時間を要するので、冷凍コロッケを使用するのが無難です。
揚げ餃子
パリッとシャキシャキ!ジューシーな肉汁たっぷり溢れだす揚げ餃子。中華弁当を作るのなら、揚げ餃子は外せない人気献立ではないでしょうか。
春巻き
中華料理の点心を代表する春巻きは餃子同様、中華弁当に入れたい人気献立です。中の具材や巻き方を変えればアレンジは無限大。大葉を入れてサッパリといただくのが個人的に好きです。
エビフライ
衣はサクサク、身はプリッとやわらかくて美味しいエビフライ。存在感抜群で、エビフライ1本入っているだけで、お弁当の見映えが豪華になりますね。
ちくわの磯辺揚げ
外はサクッと中はモッチリ。青のりたっぷりで風味豊かな竹輪の磯辺揚げ。小麦粉にプラスして片栗粉を入れることで、サクッとした仕上がりになるのでオススメ。
給食のちくわの磯辺揚げ作りのポイントやレシピはこちらをご覧下さい。
卵焼き
お弁当の定番中の定番。ふわっと甘い卵焼き。シンプルに卵onlyでも良いけど、野菜や肉等の具材をたっぷり入れて、擬製豆腐(ぎせいどうふ)にするのもよし。栄養価もUPし、こども達からも喜ばれて、まさに一石二鳥?!
ハンバーグ
ふわっとジューシーで、こどもから大人まで絶大な人気を誇るハンバーグ。お弁当の中にハンバーグを発見した時のこども達のテンションの高さは言うまでもありませんね。お弁当での手作りハンバーグは大変なので冷凍食品を使うのが良いでしょう。
給食のハンバーグ作りのポイントやレシピはこちらをご覧下さい。
鶏の照り焼き
タレがとろりと絡んで美味。白飯が進む鶏の照り焼き。冷めても美味しいので、お弁当の主菜に使える一品。タレに漬け込み、焼くだけなので大量調理にも適しています。
豚の生姜焼き
生姜の香りと甘辛いタレがクセになる豚の生姜焼き。一気に炒めて、グラム計量でお弁当に詰めていっても良いし、豚ロースの薄切り肉を使用して、オーブンで焼いて、1人○枚とポークジンジャーにして詰め込むのも作業が楽になるのでオススメ。
焼き魚
身はふっくら、皮はパリッと、塩気が絶妙で美味しい焼き鮭弁当。ただ焼くだけなので、お弁当給食にも向いています。小さめの切り身を使用して、その他にも主菜をつけてあげるのもオススメ。
鮭のアレンジメニューについて解説した記事があるので宜しければこちらをご覧下さい。
ウインナー
パリッとジューシーなウインナー。ウインナーが嫌いなこどもっているの?ってぐらいこども達から愛されてます。何か一品足りない時のお助け食材だったり、炒め物のプラス食材、お弁当のおかずとしても頼れる万能なウインナー。切り込みを入れて、蛸さんウインナーにしてあげるのも◎。
シューマイ
旨味たっぷりのシュウマイ弁当。シュウマイの手作りは大変なので、冷凍を使うのが無難。揚げシュウマイにするのもオススメ。
まとめ
いかがでしょうか。今回はお弁当給食について解説していきました。
給食のお弁当作りは決して簡単なものではないこと、ご理解いただけたかと思います。
休校明けから、お弁当作りをしている全国の学校給食調理員の皆様、そして献立を考えている栄養士の皆様。本当にお勤めご苦労様です。蒸し暑い時期になってきましたので、くれぐれも食中毒には気をつけましょう。
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