学校給食の清掃マニュアルを徹底解説!〇〇の洗浄・消毒方法がこちら
こんにちは。あっくんです。
今年の夏休みも終わりに近づいてきましたね。
あっくんの『おいとま』も終了して、
今週から再び給食調理員の職に戻ります。
僕が長くこの給食の仕事を続けていけてる
最大の理由に、
『この夏休み休暇があるから』
と言っても過言ではありません。
お陰様で、今夏も
たくさんリフレッシュできました。
さて、話を本題に移しましょう。
学校給食調理員の夏休み明けの
最初の仕事と言えば、
『清掃業務』になります。
1ヶ月以上使用していない施設や器具たちが、
僕らにピカピカにされるのを待っています。
今回はそんな給食の『清掃』について、
まとめてみたので解説していきます。
・長期業務休業(春、夏、冬)の清掃について
・日々の洗浄、消毒方法のおさらい
長期業務休業明けの清掃内容
自治体や学校だったり、
会社の定めた出勤日数によって、
清掃内容は大きく変わります。
なぜ、現場ごとに清掃内容が変わるのか?
現場によって、給食開始日が違うからです。
給食開始が早いところだと、
清掃日数を確保するのが難しくなります。
そうなると、清掃内容を
ギュッと濃縮しなければなりません。
逆に清掃日数を多く確保とれるところでは、
丁寧に細かなところまで、清掃が求められます。
現在の僕の職場では、
夏休み明け、給食開始までに
清掃に取り組める日数が、
今年は7日間あります。
(給食開始日は9月2日です)
ちなみに去年の清掃日数は、
8日間でした。
詳しくはこちらの夏スケジュール記事をご覧下さい。
8月中に給食が早く始まる現場だと、
3~5日間程度と少ない清掃日数しか
取れなかったりします。
余裕を持った清掃ができますね。
長期業務休業の清掃について
長期休み後の清掃は、
普段、行きとどかない場所や器具を
清掃するにはもってこいの期間です。
普段の給食作りをしているときから、
気になる場所ってあると思います。
前もって、ここを清掃しようと、
決めとくと計画が立てやすくオススメです。
これから解説するのは、あくまでも僕の現場の一例。
目安として、ご覧になってくださいね。
長期業務休業前の清掃
前半の清掃
前半の清掃はやることが限られます。
僕は主に回転釜、床の清掃を徹底的にやります。
・回転釜の清掃
特に揚げ釜はコゲの層ができてるので、
スクレーパーで全て削り取り、
スポンジやナイロンで釜周辺や
蓋などをピカピカにしていきます。
清掃後の回転釜は、錆びやすいので、
最後は釜を焼いて、油を薄く塗ります。
・床の清掃
床の清掃は、学校側から、
ポリッシャーとケルヒャーを借ります。
ポリッシャーはなかなか思うように、
操作ができませんが、
これに関しては慣れです。
周りの設備にぶつからないように、
気を付けて下さい。
はじめのうちは広い場所で練習あるのみ。
操作になれたら、
油汚れ用の洗剤を床に撒いて、
しばらく放置してから、
ポリッシャーをかけていきます。
黒い泡が浮かんできます。
最後に水で流して、水切りします。
ベタベタの床ともお別れです。
ポリッシャーのないところは、
デッキブラシでこすったりしてるところが
ありますが、
汚れの落ち具合が全然違いますので、
ポリッシャーがオススメです。
やはり機械には、敵いません。
しかし、ドライの施設の床によっては、
ポリッシャーではなく、
ナイロンたわし等で、
手で地道に磨いたりしてるところもあります。
床は範囲が広く時間がかかるので、
長期休業前の清掃に向いています。
次にグレーチング(溝蓋周辺)の清掃です。
高圧洗浄機ケルヒャーを使用して、
グレーチング、溝下をキレイにしていきます。
ケルヒャーはずっと使用していると、
振動により、手に負担がかかり、
痛くなるので、交代で使用するか、
休み休み使用しましょう。
ケルヒャーを使用した周辺は、
汚れが飛んでて、汚くなるので、
注意しましょう。
ケルヒャーがない場合は、
やはりナイロンたわし等で、
地道に磨いていきます。
長期業務休業後の清掃
後半の清掃
まずは高いところから清掃していき、
収納場所の清掃、器具、食器の清掃と
進めていきます。
・天井、壁拭き
届く範囲で拭いていきます。
薬液消毒された不織布を使用して、
水拭きします。
・台車、シンク洗い
時間があれば、台車はタイヤの溝までキレイに洗います。
・棚、保管庫内の清掃
ホコリが貯まっているので、拭き掃除。
中に入ってる器具や食缶類は洗浄室へ。
熱風保管庫内を掃除するときは、
水で流すときに機械を濡らさないように気を付ける。
底面の水垢がひどい場合は、
クエン酸で漬け込み、その後ナイロンたわしで磨く。
・食缶、器具類の洗浄
食缶や器具類をいつも通りに洗います。
レードルなど、ビスを使用している部分は、
油やカスなど汚れが貯まりやすいです。
目打ちなどで削ったり、
油汚れ用の洗剤などで浸けるなどします。
・食器洗浄機の清掃
専用の洗剤を入れて、洗浄機を30分ほど回す。
その後はいつも通り洗う。
洗浄機の中にあるノズル部分を洗う。
洗浄機から取り外して、塩素などにつけて、
目打ちなどで水垢など詰まってる部分を取り除く。
・トレイの洗浄
トレイは種類にもよりますが、
プラスチック製は使用しているとすぐに黒っぽくなります。
ナイロンたわしで、強くこするとキレイになります。
この作業は地味に時間がかかります。
・食器の洗浄
食器は30分程、漂白します。
漂白には塩素系、酸素系がありますので、
その食器が対応しているか確認しましょう。
間違った使い方をすると、
食器を痛める原因にもなります。
酸素系漂白剤を使用するのが無難です。
②メラミン食器 (黄ばみます)
②メラミン食器
・はし、スプーン、フォーク
・包丁研ぎ
・機械点検
スチコン、球根皮剥機械、裁断機、
スライサー、ミキサー、フードプロセッサー、
中心温度計、電子秤、冷蔵庫など、
それぞれ作動するのか、
必ず清掃中に確認しましょう。
・最終確認
人数変更があれば、ホワイトボードなどに
書かれている数字や食器の数などを直します。
初日に使用する調味料などの確認。
網戸の破損、壁の剥がれ、
ドアが完全に閉まらない、機械が動かないなど、
施設に不備がある場合は、早めに
学校側に報告して、
給食が始まる前に対応してもらいましょう。
・打ち合わせ
休みボケをかまさないように、
掃除期間中もパートは必ず1日以上、出勤させること。
ぶっつけ本番で給食作りはオススメしません。
パートも社員も久しぶりの給食作りです。
当日、焦らないためにも、
念入りに打ち合わせをしましょう。
日々の洗浄、消毒方法について
学校給食の洗浄とは?
分解できる部品を取り外し、
洗剤、石けん液とスポンジなどで、
汚れを洗い落とします。
すすぎ残しがないように、
流水でよくすすぎ、
翌日までに乾燥させること。
学校給食の消毒とは?
消毒方法には薬液消毒と熱消毒があります。
薬液による消毒
水分があると効果が低減されるので、
水分をよく拭き取ってから使用します。
使用用途
加熱済み食品を扱う器具、
調理台、シンク、取っ手、
中心温度計、秤など。
使用説明に従い、
100ppm~200ppmに希釈して使用。
(塩素を入れてから、水を入れて希釈)浸漬するときは、
5~10分程、浸漬し、その後、水でよくすすぐ。拭くときは、
不織布を溶液に浸し、拭く。
10分ほど放置したら、水拭きして、
乾燥させる。
使用用途
肉、魚、卵などで使用したシンク、器具類、スポンジなどの消毒、汚染場所(カウンター、壁、床など)
熱による消毒
庫内温度が80℃以上 20分 乾かす。
80℃以上になってから5分以上
または、再沸騰後1分以上
※熱湯をかける殺菌行為はNG。
消毒面の温度が持続せず効果がないため、ドライ運用の妨げになります。
日常の洗浄方法について
設備の洗浄消毒
調理台、台車
①洗剤でスポンジでこすり洗いし、流水ですすぐ。
②衛生的なスクイージーで水分をかきとり、乾燥させる。
シンク
①残菜受けを取り外す。
②洗剤でスポンジでこすり洗いし、流水ですすぐ。
③衛生的なスクイージーで水分をかきとり、乾燥させる。
※加熱食材の水冷などに使用目的のシンクには、洗浄後、薬液消毒する。
シンク(肉、魚介、卵など)
①残菜受けを取り外す。
②洗剤でスポンジでこすり洗いし、流水ですすぐ。
③シンク内に200ppmの次亜塩素酸ナトリウム溶液を10リットル程作り、
専用のスポンジでシンク内をムラなく回しかけ、5分置いて、すすぐ。
④衛生的なスクイージーで水分をかきとり、乾燥させる。
食器具類の洗浄消毒
熱風保管庫に収納できるかどうかで、
消毒方法が変わります。
まず、優先的に熱風保管庫に
入れないといけないものがあります。
食器、食缶、食具。
加熱調理後に使用する調理器具など。
入らない場合は当日の朝に入れるなど、
工夫をします。
トレイや牛乳缶などは、
完全に熱消毒しなくても大丈夫です。
その代わり、翌日までには乾くようにします。
包丁やまな板は専用の殺菌庫があれば、
そちらに保管しましょう。
熱風保管庫は、毎日、使うものなので、
その中に入ってるものは、
熱による劣化が激しいです。
頻繁に使わない器具は棚に閉まって、
使う日の前日に、サっと洗って、
熱風保管庫に入れてから帰りましょう。
機器の洗浄消毒
基本的に各メーカーの取扱説明書に沿って洗浄します。
分解できるものは、分解して、洗浄します。
球根皮剥機
部品は分解できるものは、分解して、
洗剤でスポンジやタワシを使用して洗浄し、
本体内部のごみを流水で洗い流す。
水切りしたディスクは立てかけ、乾燥させる。
※本体外部に水をかけないように注意
裁断機、ミキサー、フードプロセッサー
それぞれ分解できるものは分解して、洗浄する。
使用後、洗浄後、部品を地面に落とさないように
置き場所に注意しましょう。
中心温度計
洗浄液とスポンジで金属部分をこすり、丁寧にすすぐ。
水気を拭き取る。使用前にアルコール消毒してから使用します。
冷蔵庫、冷凍庫
扉の内側、外側、取っ手をお湯で固く絞った消毒済みの不織布で拭く。
ペーパータオルで水分を拭き取り、アルコール消毒する。
食器洗浄機
電源を切り、排水させる。
取り外し可能な部品は外して、洗浄。
コンベアー、カーテン、洗浄機内も洗浄する。
残菜カゴのゴミを取り除き、洗浄。
機械の外面はスポンジに洗剤を染み込ませて、
汚れを拭き取り、不織布で水拭きして、乾燥させる。
※くれぐれも機械の外面に水をかけないように注意。
まとめ
いかがでしょうか。
今回は学校給食の清掃全般について、解説していきました。
正直、僕は長期休み後の清掃期間があまり好きではありません。
掃除は苦手です。
特に給食の掃除は、
時間をかけて、丁寧に洗って、
釜などをピカピカにしたとしても、
給食が始まり、数日もすれば、
すぐに元通りの汚れがこびりついてます。
あんなに頑張ったのに
もうこんなに汚れてる・・・
と、
勝手に1人で毎度、凹んでます。
やはり、掃除よりも、
調理している方が時間の経過も早く、
僕は好きです。
たぶん、そんなふうに思っている方々。
たくさんいるのではないのかと、
勝手に思っております。
なので、清掃期間に、
有給をよく使用させてもらったりします。
まぁ、そこぐらいしか有り余った有給を
自由に使えないってのもありますが。
しかし、そんな甘ったれた考えでは、
まだまだですよね。
学校給食は衛生第一の仕事。
清掃 (洗浄) は衛生管理の基本だと
いうことを忘れないでください。
使用後の食器具は汚れと微生物が
たくさん混在しています。
洗剤でしっかり汚れを落とし、
その後の正しい加熱や、
正しい消毒を用いて、
微生物を殺すという作業に、
日常の衛生の大切さが隠されてます。
この衛生を怠れば、
食中毒を起こしてしまいかねません。
詳しくはこちらの記事で、
学校給食の食中毒について、
解説していますので、宜しければご覧ください。
長期業務休業前後の清掃も大切ですが、
日々の清掃も大切です。
この記事をご覧になり、
皆さまも今一度、
清掃 (洗浄や消毒) について、
お考えいただければ幸いです。
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