給食の保存食は乾物や調味料も取るの? 採取方法や保存の意味を解説!

2019年1月22日

学校給食を作るうえで、大事な役割を果たしている保存食

今回はそんな保存食について、簡単にまとめてみましたので解説していきます。

 

本記事の内容

・学校給食の保存食の取り扱い

・保存を取らなくてもよい食品について

 

 




『保存食』って何?

 

食中毒事故及びその疑いが発生したとき、発生原因の調査のために欠かせないものです。

 

あっくん
僕たち給食調理員の身を守るものに繋がりますので、保存食は忘れずにしっかり取りましょう。

 

採取時に他からの二次汚染があると正確な検査ができなくなるので、保存食を取るときは、衛生面に気を付けて採取します。

 

保存を採取するのは、原材料 調理済み食品です。

◆原材料の保存とは、業者さんが持ってきたものに手を加える前に採る保存のこと。

◆調理済み食品とは、完全に仕上げた状態のもので配缶前にとる保存のこと。

 

まずは食材が納品されしだい、すぐにやるべき仕事。原材料の採取について解説していきます。

  保存食 【原材料】について

採取方法

●原材料は、洗浄や消毒などを行わずに、納入した状態で採取する。


●包丁を使用する場合は、食品ごとに包丁を消毒する。
※アルコールを浸したペーパータオルで、ぬぐってから使用する。


●食品ごとに可食部を50g以上採取する。


●清潔な新しいビニール袋(再使用禁止)に採取し、出来るだけ空気を抜いて密封する。


●野菜などの産地が2ヵ所以上の場合は、それぞれ採取する。


●製造年月日・期限表示及び規格が違う場合も、それぞれ採取する。




調味料や乾物類も50g保存しないといけないのか?

この疑問はベテランの調理員さんも意外にわかってなかったりもします。全てのものを50g保存するわけではなく、保存食には取らなくても良い食品もあります。

 

あっくん
地方自治体によっても、異なりますが、以下の食品類は保存を取らなくてもOKです。

 

保存食品から除く食品
原材料
米、麦、うどん(乾)、スパゲティ


調味料
塩、砂糖、酢、みりん、しょうゆ、酒、ソース、味噌、こしょう等の常温で保存する調味料


乾物・缶詰等
わかめ、ごま、かんぴょう、切り干し大根、干しいたけ、凍り豆腐、大豆、きくらげ、削りかつお、削り節、昆布、春雨、のり等の常温で保存する食品


レトルトで遮光性を有する容器に入ってる食品、缶詰

 

採取日や保存期間等を記入した新しいビニール袋や清潔な専用容器に1日分をまとめて入れて、専用冷凍庫に-20℃以下で2週間以上保存します。

 

[注意事項]

原材料の保存で勘違いしている人がいます。50g取れば何でもよいわけではありません。例えば、果物の傷んでいる部分を保存にしたりすることです。痛んでる部分を保存にしても、何か事故があった時に何の証明にもならないので、ふつうの部分を保存して下さい。あと、卵等も1個を保存するのではなく、全てを割って、撹拌したあとのものを50g取るようにしてください。

 

以上が原材料の採取の解説でした。それでは料理が完成したら、第一でやるべきこと。調理済み食品の保存の採取について解説していきます。

 

 保存食【調理済み食品】について

採取方法

●消毒した器具を使用して、献立、釜ごとに、釜から直接採取する。
※二次汚染防止のため。
※袋に釜の番号を記入するのを忘れずに。


●採取量は50g以上で、その料理に入ってる全ての食品が入るように採取します。

※手作りふりかけなどの、1人 5g以下のものは 50gは取らないで、小さじ1杯程でOKです。


●デザート・ジャム・マヨネーズ・小魚等の個別包装のものは開けずにそのまま採取する。


●採取後は密封して、採取日や保存期間などを記入した清潔の容器に入れます。

 

粗熱が取れたら、専用冷凍庫で-20℃以下で2週間以上保存します。

 

記録表にも記載も忘れずにします。
(採取日時、廃棄した日時と担当名など)

アレルギー対応食も同じように採取します。

 


まとめ

いかがでしょうか。
今回は保存食について、解説していきました。

保存食は、食中毒などが起きたときに、自分達の料理から、食中毒が出たのではないという、身の潔白を証明してくれます。そして、食中毒の原因究明に欠かせないものです。


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保存食を取り忘れるということがないように、検収簿や献立表を見て、しっかり、チェックして、確実に50g以上、取りましょう。