学校給食の美味しい『合わせだし』の取り方
鶏ごぼうごはん 牛乳 じゃがいものそぼろ煮 すまし汁
本日の給食は和食です。
今回は出し汁に関する情報や、
大量調理の美味しい出し汁の取り方、
レシピなどを詳しく解説していきます。
鶏ごぼうごはん
鶏ごぼうごはんです。
★具を作るときの人参の入れるタイミング
千切りした人参は火の通りが早いです。
入れるタイミングが早かったり、
入れてからの混ぜ方が悪いと
ボロボロの人参になり、見た目が悪くなります。
★ごはんは固めに炊く
炊き上がったごはんと具を混ぜるとき、
煮汁が入るので、ごはんはいつもより、
気持ち固めに炊きましょう。
鶏ごぼうに関する詳しい話は
過去記事にありますので、こちらをご覧下さい。
じゃがいものそぼろ煮
豚肉、じゃがいも、人参のそぼろ煮です。
すまし汁
絹ごし豆腐、ねぎ、小松菜のすまし汁です。
和食の基本、合わせ出しとは?
『だし』には、
一番だし、二番だしがあります。
●一番だし
昆布とかつお節を使って、
最初に煮出した『だし汁』のこと。
沸騰したあとのお湯を煮立たせず、
弱火でアクを取り除いたあとに取るだしです。
澄んだ色で濃厚な味と香りの高さが特徴です。
水だし法・煮出し法・煮炊き法があります。
一番だしを使用した料理例
・お吸い物、めんつゆ、あんかけなど
●二番だし
一番だしを取った、だしがらで、
もう一度よく煮出した『だし汁』のこと。
じっくりと煮出して、旨味を引き出すので、
雑味が強く出るのが特徴です。
さらに鰹節を「追いがつお」として
加えることがポイントです。
二番だしを使用した料理例
・味噌汁、煮物など
給食での、美味しいだし汁の取り方
栄養士の献立の昆布や鰹の量にもよりますが、
余程、『だし』にこだわりがある、
栄養士でないかぎり、給食での『だし汁』は
家庭で作るよりも昆布や鰹の量が少ないです。
ですから、一番だしの取り方では、
ほとんど水に近い『だし』になってしまいがち。
雑味も出てしまいますが、
はじめから二番だし以上の時間をかけて、
じっくり昆布と鰹の旨味を
限界まで出し尽くします。
実際に僕の『合わせだし』の取り方
『合わせだし』をとるのにかかる目安時間
約2時間
①水で昆布を30分ほど浸しておき、
中火ぐらいで加熱していきます。
②灰汁が出てきたら、灰汁を取り除きます。
③沸く直前で火を弱め、
80℃付近を1時間ほど維持します。
④トングで昆布を半分近く取ります。
⑤沸かして、かつお節を入れます。
弱火~中火の間にして、
灰汁をとりながら、1時間程、煮る。
⑥火を止めて、かつおが沈んだら、
ペーパー&こしザルでこして、
だしを取っていきます。
だしを取った後の昆布、鰹節のだしがらも、
捨てるのは勿体ないので、
調味料で味を付け、
佃煮やふりかけにするのもおすすめです。
だし汁の歴史は?
室町時代の書物、
『群書類従』に収録されている料理書では、
白鳥を煮るときに使われる
「にたし」という鰹節を用いた「だし」や、
「だし」をとる際にだし袋を使用していたと
いう記述があるそうです。
最も古い記述とされています。
江戸時代前期(1643年)に発行された
『料理物語』には「だしはかつお」や、
二番だしについても記述されています。
ディスカッション
コメント一覧
はじめまして。
自校式で3年、今はセンターに異動して数週間の委託の社員です。
自校式で調理をしていたときは、
だしでも汁物でも炒め物でも沸いて灰汁が出てきたら酌の底で集めてそのまま酌で取り除いていました。
センターの責任者のかたは、炒め物はまだちゃんとやっていないのでわかりませんが、出汁をとっているときに出る灰汁はそのまま、具材をいれてから出る灰汁はスパテラで混ぜて消えるものは旨味に、消えないものは本当の灰汁だから取る、という指導です。
これは本当に理にかなったやり方なのでしょうか…?
汁物なんてほっといてもできるのに、終始混ぜろと、必要以上に混ぜさせます。
他にも汁物はグラグラに沸いていても火を弱める指示もなく、他のパートさんたちも特に弱めなきゃ、という意識もないです。
ボイル用のお湯も沸騰して閉めてる蓋から蒸気がガンガンに出ているのに火加減マックスで投入時間までそのままです。
生肉を炒めるときも火力全開で油を熱してから肉を入れるので危ないし、焦げそうで怖いです。(実際に焦げる事案がよく起こっています。)そして生肉いれるとき、手で少しずつ入れてるのにスパテラをかまして生肉がスパテラに乗ってから釜に着地しています。
一気に生肉を投入するならかます理由もわかるのですが、意味あるんでしょうか?
もう学校給食何十年とやっている方なのでプライドもあるし、注意のしかたも全てのミスにかなりの圧をかけて責め立てるような言い方で、なんでそうするのか聞き返すのも怖くて…。
こちらに質問させていただきました。
自校式とセンターではやはりやり方がここまで違うものなのでしょうか?
ゆうきさん
はじめまして。コメント拝見させていただきました。
自校式とセンターのやり方と言うよりは、その責任者のこだわり?が強いだけな気がしますね。
センターに限らず、自校式の責任者でも、そういう頭の固い方はよく見かけます。
灰汁についても、人それぞれどこまで取るかというのは違うと思います。
僕は出し汁の灰汁はキレイにとりますが、調理の時に出る灰汁は程々です。(気になったら取るレベル)
終始混ぜるのは、ルウや片栗でトロミがついたもので焦げやすい料理ならわかりますが、汁が多い汁物で終始混ぜる理由はよくわかりませんね。具沢山で汁が少なめなら、わかりますが。その責任者の方は若いときにそのように教わったのでしょうね。それが今でも抜けないのでしょう…
鍋のお湯が沸いてるのに弱めないのもよくわかりません。周囲の気温が熱くなるだけだし、光熱費の無駄ですね。きっと、自分が使用したい時にMAXに沸いてないとイヤなだけなのでしょう。せっかちで待てないタイプの性格なのでは?
肉の投入に関しても、跳ね水などによる二次汚染防止の知識を変に解釈した入れ方なのかもしれません。
そういう方がトップだと、本当に部下達は悩まされますよね。不信感しか募りません。プライドが高すぎる人間はアタマになるべきではありません。自分に非があったとしても、プライドが高いので、下の人間に素直に謝ることもできないんですよね。プライドが全くなさすぎるのも困ってしまいますけどね…
正直、料理に正解はないので、自分が正しいと信じたことをやっていきなさいと、僕は部下達に教えてます。
“あくまでも、こんな調理方法があるよ程度でしか、部下には教えてません”
この業界、下積み時代は上の人間が絶対であり、自分が上の役職になるまで、基本我慢するしか道はないと思います。本当に無理であれば、みんなで会社にデモを起こすしかないです。まぁ、代わりの人材がいないとか言われて流されてしまうかもしれませんが…
責任者がまともな方であれば、「この調理法でやろうと思うんですけど、いいでしょうか?」という声に耳を傾けてくれるのでしょうけど…
僕も責任者になるまで、色々な上司のやり方を見て学んできました。現在は自分が納得いくスタイルでやっています。それでも、今でも勉強したい心は強いので、他のチーフから聞いたやり方だったり、部下が提案したやり方で良かったら、それを全面的に取り入れて、仕事してます。
ゆうきさん、負けずにがんばってください!
はじめまして。
私は自校式を3年経験し、センターに異動になりました。
最近異動した営業者の責任者から、
汁物で灰汁がでても、混ぜて消えるものは旨味になるからめいいっぱい混ぜてから残った灰汁だけ取る、
という指導があったのですが、本当でしょうか?
ネットで調べてもそんな記載はなく…
大量調理だからそういう方法なのでしょうか?
前のところは600食を一釜で、今のところは1600食を1メニュー三釜で調理しています。
他にも色々となんでそんなことするんだろう、
と疑問におもうことがあるのですが
責任者のかたは自分が思っていることと反する質問をしただけで呆れながらかなりの圧で責めてきます。
そのせいで元々いるパートさんたちも
何をするべきか迷ったときに聞かずにおろおろしているだけですし、私が代わりに質問したら私が怒られます。
私の考えで指示が出せればいいですが、
責任者のかたがどんな考えでやっているのか今のところ全く理解できないですし、勝手に調理を進めていると怒られるのでいちいち確認しないといけません。
(パートさんの話では指示書通りの時間に声をかけずに進めていると怒られたこともあったそうです)
すみません、愚痴が入ってしまいました。
灰汁の取り方、学校給食の経験が豊富で知識のあるかたの回答がほしくて質問させていただきました。
よろしくお願いします。
すみません、送れていないと思って二度投稿来てしまいました。
あっくんさん、お返事ありがとうございます。
そして疑問に対して丁寧に回答を下さりありがとうございます…!
モヤモヤした気持ちがすっきりしたと同時に、料理に正解はなく自分が正しいと信じられることをやる、という言葉が胸にストンと落ちました。
自分が今まで学んできた知識と責任者のいうことと擦り合わせて、何が信じられるか、柔軟に考えていきたいと思います。
会社の規定で夏休みなどは社員食堂や医療施設などにもヘルプに行きましたが、今回の責任者のかたはこれまで出会ってきた中で一番何を考えているのか、何をしてほしいのかわかりません…。
本当にこだわりが強くてそれを押し付けてきて、せっかちで…あっくんさんの言うとおりの方です。
今日は献立的にも余裕で一日ずっと下処理室担当だったため顔をあまり合わさずに済み、精神的に平和でした。
あっくんさんのような責任者だったらよかったのに…と思いますが、自分がそうなれるように頑張るしかないですよね……。
記事も基本的なことから丁寧に説明されているので、拝見させていただいています。勉強になります。
責任者のかたに勝てる気は全くしないのですが、会社をやめるのはもう少し考えてからにしようと思います…。
ありがとうございました。