給食調理員 責任者【チーフ】10年間やって、わかったこと!
チーフに求められるものとは?
はじめに・・・
このブログをご覧になってる方々で、まだ自信がない駆け出しの新米のチーフの方、今、現在もチーフを目指していて、日々がんばってる方や、チーフになりたいけど、万年サブで、なかなかチーフにあがれず・・・と悩んでる方々もいるかと思います。
今回はそんな悩んでる方々のために責任者(チーフ)に求められるものについて、自分なりにまとめてみました。少し長くはなりますが、参考になれば幸いです。
給食の仕事をしたいけど、給料や仕事内容など、知りたい方はこちらの記事をご覧ください。
目次
自分の経歴と経験談
僕が給食調理員のチーフになり、早いもので10年以上が経過しました。その当時、会社の中では、誰よりも早い出世頭だったと思います。もちろん若くしてチーフになり、嬉しい反面、辛い想いもたくさんしました。皆さんなら、自分の現場に、まだ経験が浅く、若すぎるチーフが異動してきたら、どう思いますか?
「頼りなさそう・・・」 「本当にこの人で大丈夫なの?」など、不安になるかと思います。
年上で、それなりに、この世界を経験してきた人でしたら、もし、そんな若い上司がきたら、きっと面白くないでしょう。(人にもよると思いますけど)
僕の場合だと、わざと困らせられたり、試されるようなことをされたりと、色々な嫌がらせをうけたので、その当時は、仕事を辞めようと思ったことが何度もあります。でも、辞めたら、そんな人達に負けを認めたことになってしまうのが、悔しくて、悔しくて・・・会社には他に代わりの人材がいないから、もう少しだけ我慢してくれと言われ続け、結果、約2年間、耐えることになりました。
僕の経験からのように必ずしも、早く出世すれば、良いということではありません。たくさん色々な経験や苦労をして、チーフになった方のほうが、きっといいチーフになれると思います。だから、焦らず、自分のペースでチーフを目指していきましょう!経験上、この業界の人達は若手の上司に舐めてかかってきます。
こんなチーフはNG
僕は昔から、部下達によく言われることがあります。『チーフが異動なったら、辞めます』と。とても嬉しい御言葉なのですが、裏を返せば、僕に甘えているだけ・・・これをご覧のチーフの皆様。社員やパートに優しすぎではありませんか?
怒らなくて優しいあなただから、都合良く、そう言われているだけです。あなたが去った後の現場のことを考えるのもチーフの大事な仕事です。後任のチーフが大変な想いをしないようにしっかりと職場環境を整えましょう。
それでは、そもそも責任者の役割とは何か?
悩める責任者(チーフ)の皆さんに、まず一番に伝えたいのは、
責任者はチームの中で、最も優秀でなければならないという概念を捨てることです。
他の社員やパートから、優秀だと思われたいし、責任者なんだから、そうあるべきだという固定概念が、あなたを悩ませる大きな原因になっていませんか?
今、責任者を務めている皆さんは、給食調理員として、会社が認めた優秀な人ばかりだと思います。だからこそ、責任者になっても、他の誰よりも優秀であり続け、現場を引っ張っていくべきだと考えてしまいがちなのですが、調理員としての優秀さと責任者としての優秀さは全く別物だということを理解して下さい。
もちろん社員や副責任者時代のノウハウを生かして、部下にテキパキと指示を出す責任者もいます。しかし、そういう現場は、部下達が自然と指示待ちになってしまう傾向にありがちです。自ら考えて行動する力が育たないのです。そして学校やマニュアルの大きな変化で、今までの経験が通用しなくなると一気に失速してしまいます。
優秀な責任者とは、メンバーをやる気にさせ、成長させることができる責任者であり、正直で助け合える組織を作り上げることができる人のことを言います。
それでは、具体的な役割について、
解説していきます。
責任者(チーフ)の役割を理解する
スタッフの仕事に手出しは禁物
スタッフの仕事に手出しをしたくなっても、そこはじっと我慢。我慢しながらも適切なアドバイスを与え、スタッフ自身が自分の期待通りの動きをしてくれるように導くのが、責任者の腕の見せ所です。スタッフ一人一人の能力と個性を見極めながら、それに合わせた指導を行い、チームとして大きな成果を上げることを考えましょう。
チームとして最大の成果を上げる
チーフの役割は、2つあります。ひとつめが現場全体の仕事をうまく進めること。ふたつめはチームとしてのパフォーマンスが最大限に発揮できるようにすること。このふたつめの方がチーフの役割の中では大切なことなのです。
あなたには、調理員としての能力や実績があるとします。現場の中で誰よりも優秀かもしれません。しかし、あなたの能力を調理員としての仕事に集中させてしまうと、あなたが関わった仕事だけは、うまくいくでしょうが、その他の仕事がうまくいくという保証はありません。どんなに優秀な調理員であっても、現場の仕事は全てを担当することは不可能です。あなたが担えるのは、あくまでも現場の仕事の一部でしかありません。
現場の評価は、あなたの担当部分が満点かどうかではなく、現場の総合点で決まります。ですから、チーフが一部の仕事に没頭するのは危険です。様々な能力レベル、意識レベルの部下を抱え、うまく活用していくのが責任者(チーフ)の役割です。
スタッフの信頼を得るために必要なこと
自信も持ってチーム作りを進めよう
新規立ち上げなら、いざ知らず、既存の学校を任される場合は、必ずそこには歴代の責任者がいます。先任の責任者達が築いてきたものを守り、発展させるのが新責任者の役目です。しかし、前任者のやり方にこだわる必要はありません。うまくいっているところは、それを土台にして、さらに発展させ、うまくいっていないところは、新たなやり方を考えましょう。新しい組織作り、組織運営を進めていきましょう。
最もダメなことは自分で考えることもせずに、これまでの慣例通りにやろうとする安易な姿勢です。波風を立てたくないという気持ちもわからないではありませんが、それでは会社があなたを責任者に登用した意味がありません。あなたの新鮮な目で組織の状況を分析し、現状に合っていない、理にかなっていないと感じたことは、どんどんモデルチェンジすべきです。この時に気をつけることがあります。単なる思いつきや、目先を変えるためだけの変更をすべきではありません。周囲から、『どうしてそのようにするのか』 『なぜそのやり方がいいのか』と聞かれたときに、その質問に明確に答えられるようにしましょう。スタッフ達は、『今度の責任者のお手並み拝見』と興味津々で、新責任者の言動に注目しています。自信もって、堂々と仕事を進めていく姿勢が部下達の信頼を得ることに繋がります。
環境の激変についていこう
未経験のストレスに対する備えをしよう
責任者になると仕事上のストレスの質が大きく変わります。
以下、例になります。
(あちらを立てれば、こちらが立たず。どうすりゃいいんだよ。)
・上司から無理難題を課される
(君ならできるよな、なんて簡単に言うなよ。)
・部下のミスの責任を取らされる
(自分の知らないところで起きたことなのに、なんでおれが頭を下げないといけないんだよ。)
・部下の様々な悩みに対応しなければならない
(家庭の揉め事まで聞かされたら、たまらないよ。)
このよう責任者になる前の時代には、経験したことのないストレスにさらされます。中でも、最も日常的に起こるのは、『部下が思うように動いてくれない』というストレスです。
社員・パートの仕事ぶりを見て、『なぜこんなに遅いのか』『何で同じミスを繰り返すのだろう』とイライラすることもありますが、前述したように自分で手を出してはいけません。そうすると部下達は甘えが生じ、成長するチャンスを奪ってしまうことになります。社員、パートにしてみれば、自分なりに一生懸命やっているつもりなのに、上司にその仕事を取り上げられてしまったら、いい気持ちはしません。『それなら、最初からチーフがやれよ』と開きなおりたくもなります。様々な未経験のストレスは、責任者には避けられないものだと自覚して、流されないようにしましょう。
自分にできることを一生懸命やる
責任者になったからといって、突然能力がアップするわけではありませんよね。まずは、できることを一生懸命やる。当たり前のことのようですが、初めて責任者になった人はこれを忘れてしまいがちです。
責任者になったからといって、突然能力が高まるわけではありません。いくら調理や技術が優秀だったとしても、リーダーの経験がなければ、あなたにできることは限られてます。まずは責任者として、未熟な自分を素直に受け入れできることが第一歩。そして、一生懸命に仕事に挑みましょう。無理にリーダーシップを発揮しようとしても、ストレスを溜め込んでしまうだけです。
喜びややりがいの質も変化する
責任者(チーフ)になると、大変なこと、嫌なことばかりが増えるわけではありません。仕事の喜びややりがいもこれまでとは違ったものになってきます。責任が重くなる代わりに、権限の範囲がこれまでよりずっと広がります。社員の時代は、与えられた仕事をしっかりとこなして成果を上げていくのを求められましたが、責任者になるとチームを率いて仕事をするようになります。スタッフを動かし、意欲をもって仕事に取り組み、成果が上がれば、喜びや満足度はこれまでの何倍にも大きくなるでしょう。スタッフのミスや仕事の遅さはイライラのもとになりますが、反面、スタッフが期待に応えてくれたときは、嬉しいこと限りなしでしょう。
スタッフ一人一人の能力と個性を見極めながら、それぞれにふさわしい指導やアドバイスを行い、自分で成果を上げられるようにサポートしましょう。自分がゴールするのではなく、スタッフにゴールさせることの喜びを味わえるような責任者になりましょう。
スタッフをどう育てるか
いらない人を作ってはいけない
責任者は、自分のチーム内にいらない人を作ってはいけません。思い通りにスタッフが動いてくれないと、『○○さんは使えない、チームのお荷物だ』と思いがちですが、これでは、責任者(チーフ)失格です。上から目線で切り捨てるのではなく、『まだ彼が動き出すスイッチを上司の自分が見つけていないんだ』という謙虚な気持ちでスタッフと向き合いましょう。与えられた戦力をうまく活用し、最大限の成果を出すことが責任者(チーフ)としての役割なのです。その努力を放棄して、経営陣に人材不足だと不満を述べるのは、自分の無能ぶりを見せつけるのと同じことです。スタッフを選ぶことはできません。預かった人材を生かす努力をしましょう。それこそが責任者の腕の見せ所です。
脚本に沿ってスタッフを指導・育成する
責任者の重要な仕事の中に、『指導、育成』があります。この2つの違いを考えてみましょう。『指導』とは、短期の目標です。進むべき方向を指し示して、そこに導くことを言います。『育成』とは、育てて何者かにならせること。指導よりは長めで中期の目標です。どのようになってほしいかを明確にしておかないと、スタッフは何者にもなりません。『仕事ができるようになる』という抽象的な目標ではなく、もっと具体的な目標が必要です。指導にしても、育成にしても、実践するにはチームの構想、つまり、脚本が欠かせません。この脚本に外れて、スタッフに自分勝手に育ってもらうわけにはいきません。脚本の狙いを実現するために育てることが必須条件です。責任者はチームを育てながら、部下一人一人を育てる。一人一人を育てながらチーム全体を育てる。この両面から部下育成を考えなくてはいけません。
スタッフの考える力を高める
仕事に必要な3つの力
・前に踏み出す力
(主体性、実行力)
・チームワーク
(発信力、傾聴力、柔軟性、状況把握、規律性)
・考え抜く力
(計画や想像力、課題発見力)
仕事を遂行する上で、最も基本となる力はどれか?
僕は考え抜く力の中の課題発見力が一番重要だと考えます。
全ての仕事は課題発見に始まり、課題を解決することによって成果をあげるものだからです。課題を見つけ、解決しようとした時点で、既に主体性が発揮されています。発見した課題を解決するためには計画力、創造力が必要です。たとえ人から与えられた課題であっても、その課題の意味を自分なりに受け止め、解決するために行動することで、仕事の基礎力が鍛えられていきます。課題発見を入り口として、考え抜く力を高めていけば、前に踏み出す力もチームで働く力も同時に育っていくのです。スタッフを育てるためには、まず個人の考え抜く力を高めることをおすすめします。新しい仕事をスタッフに任せた時、やり方を手取り足取り教えてしまうと、スタッフは自分で考えず言われたことをやるだけになってしまいます。とりあえずその仕事を完了させることはできるでしょうが、成長はしません。スタッフ自身に考えさせる質問をしましょう。正解が出るかどうかは別にして、自分なりに考える機会にはなります。答えが出たら、今度はどうしてそう思うのか?なぜそのように考えたのか?とさらに深く考えさせましょう。どこに何がどうしてどうすればという質問は、考える力を高め、その結果として、仕事能力を高めることに繋がるのです。
効果的な指導・育成を心掛ける
『みる』と『きく』を使い分けよう
教え上手の責任者はみるときくを上手に使い分けています。見るには次の三つがあります。
①見る 目に入っている
②観る 目的をもって観察する
③診る 医者のように原因を探る
①朝一番に現場を見渡し、みんな揃っているかなと確認するのが見る。
②元気がない人はいないかなと、観察するのが観る。
③顔色が悪いスタッフを見つけたら、体調が悪いのかそれとも心配事があるかなと原因を探るのが診る。
スタッフは責任者に観てもらうことを期待しています。自分の存在をしっかり確認してもらいたいと思ってます。部下との信頼関係を築くためには観ているよということを様々な形で伝えると効果的です。診るはケースバイケースです。責任者に聞いてもらいたいという様子が見えたら診るを始めれば良いのですが、ヘタをすると余計なお世話だとなりかねないので、まずは気になる部下の様子をしっかり観ることです。
次にきくですが、これも三種類あります。
①聞く 意識せず耳に入れてる
②聴く 相手の話に興味を向ける
③訊く 不明な点を確かめるために質問する
①聞くは耳で、②聴くは心で、③訊くは口です。『みる、きく』の使い分けができると、効果的な部下指導ができるようになります。
ほどよい負荷でスタッフを成長させよう
手慣れた仕事を繰り返しているだけでは、成長できません。責任者が部下の状況をよく観察し実力より少し上の仕事を任せてみると、部下は成長の階段を少しずつ上がることができます。オーバーワークの原則ですが、あまり強い負荷をかけすぎると部下は潰れてしまいます。ですから、部下のレベル状況をしっかり見極めて、程よい負荷をかけることが大切なのです。
職場の雰囲気作りも大事な仕事
会話のある職場が一体感を生む
チームをまとめていくためには、全員で同じ方向を向き、元気に楽しく仕事を進めるという雰囲気作りが大切です。同じ目的に向かって、共に仕事をするチームなのですから、相互に声を掛け合い、コミュニケーションを活発に行いたいものです。このような心遣いがチームとしての一体感のベースです。なので、責任者には和やかで話しやすい雰囲気づくりを心がけてほしいと思います。その第一歩は『おはよう・お疲れ様』このようなごく当たり前の声かけが全員の習慣になることがチームのエネルギーの源泉になります。スタッフが挨拶をしなくても、責任者が率先して声をかけ続けていれば、職場の雰囲気が変わっていくはずです。
チーム内に補佐役を作ろう
自分が責任者なんだから、チーム運営を一人でやらなければならないと思い込んでいると、苦しい状況になります。そのためにサブチーフという、副責任者がいますので、責任の一端を担ってもらいます。このような補佐役を作ると責任者の負担が軽減されるだけでなく、任せたスタッフたちの成長を促すことにもなり、一石二鳥です。年上の社員がいるなら、腹を割って話しましょう。『この部分は先輩の経験を発揮していただきたいのです 。最後の責任は私がとりますので、チームのメンバーの成長に手を貸してください』というように、率直に協力を依頼すればいいのです。このように言われれば年上の社員も悪い気はしません。こいつのために一肌脱ぐかと補佐役を買って出てくれるはずでしょう。
副責任者(サブチーフ)について、詳しく解説している記事があります。宜しければ、ご覧ください。
チーム運営で必要な『報連相』
報連相が必要な理由を徹底する
責任者の皆さんの大きな悩みの一つは、スタッフからの報告、連絡、相談、いわゆる報連相がないというものです。報連相には職場のコミュニケーションを円滑にし、スタッフの仕事の状況を把握するという大きな意味があるにも関わらず、それがうまくいっていないのが実態のようです。職場で報連相が徹底しない最大の原因は、スタッフが何のために報連相をするのかを理解していないからです。裏を返せば上司が報連相の意味をスタッフにしっかり伝えていないということです。伝えてるつもりでも伝わっていないものです。
スタッフはなぜ報連相をしないのか
スタッフが報連相をしない理由はいくつかあります。まず、ミスやトラブルを上司に知られたくないという気持ちがあることです。上司に知られると怒られる、評価を下げられると考え、報連相を先延ばしにするのです。
ミスやトラブルがあると、上司に知られる前に自分でなんとか解決しようとするスタッフもいます。自分で解決できれば、それにこしたことはありませんが、多くの場合は解決できず、最後は上司に泣きつく結果になります。こんなことはいちいち報告しなくても、いいだろうなどとスタッフが勝手に判断することも報連相をしない理由の一つです。これでは調子にのって、重要な報告も伝わらないことになります。その他、上司がいつも忙しそうにしているので報連相のタイミングがわからないという理由もあります。また上司が嫌いだからわざと報連相しないという確信犯もいます。このようなスタッフが報連相をしない理由を認識し、それを取り除いていくことも責任者の仕事です。
ミスやトラブルに関しては、悪いニュースはすぐに報告というルールを徹底しましょう。スタッフから悪いニュースを報告されても、いきなり叱りつけたりせず、まずは事態の把握に努め、早急に解決策をサブや栄養士や上司に相談しましょう。スタッフの不手際が原因であれば、その後で指摘し、理解させれば良いのです。
スタッフの話をきちんと聞く
報連相のルールを徹底することは、もちろん必要ですが、日常的に上司と話しやすい職場の雰囲気作りを心がけることが大切です。書類に目をやりながら、他の仕事をしながら、スタッフに対応してはいけません。スタッフに向き合い、スタッフの目を見て、しっかり話を聞きましょう。深刻な問題を抱えたスタッフが相談に来た時、きちんと対応してくれなかったという印象を与えてしまうとスタッフは失望し、あの上司に言っても仕方がないと、次第に報連相をしなくなります。反対にスタッフの言葉をしっかり受け止めてくれる上司のもとには、自然に情報が集まってくるものです。スタッフとの信頼関係はそう簡単に作れるものでありません。
スタッフの成長を願い、チームの仲間として、一緒に汗を流し、成果を上げていこうという思いを日常の言動に込めていれば、その思いは必ずスタッフに伝わるはずです。そして信頼関係が育まれていくと思います。
平社員の教育、指導で疲れている責任者の方々の気持ちを代表して、平社員に向けた記事を書いてみました。詳しくは、こちらの記事をご覧になって、共に共感しましょう・・・
問題解決の基本
問題解決とは、現状とあるべき姿とのギャップを埋める作業。
問題解決は、仕事の様々な場面で必要です。
①業務効率を高める
②学校側の満足度を上げる
未経験のことに、『どのように取り組めば良いのか』を考え、その方法を設計することが問題解決です。そして、問題は人により異なります。自分は問題だと思っても、他の方々はそれほど、問題に思ってないかもしれません。何を問題とするかの違いは、その人の受け止め方もありますが、役職によっても生まれます。
・チーフは現場の円滑運営の視点
・会社は全社的戦略の視点
このように役職によって、問題とする内容は変わってきます。
それでは、問題の種類について、説明していきます。
問題は大きく分けると、以下の3種類のタイプに分類されます。
①変化により起こる問題
例.チーフやサブなどの担当の変更により、調理ミスが多くなった。
②ずっとそこにあった問題
例.パートが辞めていく原因は昔からお局にあった。
例.調理器具が劣化しているのはわかっていたが、そのまま使い続けて、調理作業中に壊れてしまった。
③高い目標が生み出す問題
例.残食率0%を目指すために、それぞれが取り組むときに生まれる問題。
問題解決に必要な考える力とは?
①関係を繋ぐ力
原因と結果の関係の成立
目的と手段の関係を意識する
②構造化する力
全体像をとらえて、明確に把握する力です。問題を解決するにあたり、
その現象を抑え込むのでなく、起きないような構造をつくることが大切です。
例.寝坊して遅刻を繰り返す部下に対し、目覚ましを増やせと助言する。
これでは、なんの問題解決になりません。まずは、朝、なぜ起きれないのか?原因をさかのぼり考えましょう。そうすると、部下は寝る前にゲームをする習慣があることがわかりました。この習慣を改め、構造を変えさせることで、遅刻癖をなくすことができます。
③抽象化する力
共通の部分に着目し、細部の違いを無視して、違うものを同じに見ること。主に原因分析のときに役立つ力です。
以下、こんな問題解決は間違いなので気をつけましょう。
・現象だけ抑え込もうとする
・人の能力や意識が原因と決めつける
・思い込みで判断する
まとめ
いかがでしょうか?
今回は僕がチーフを10年以上続けてきて、わかったことを解説してきました。チーフに向いてる人、サブチーフに向いてる人、ずっと平社員の人など、給食業界には色々な方がいます。まずは自分を知ることから始めましょう。チーフという役職が合わず、サブチーフに降格する方々もたくさんいます。この記事をご覧になって、自分に足りないものが何かを感じ、少しでも参考になって役立ってくれれば、幸いです。
ディスカッション
コメント一覧
4月から給食の仕事をする者です。
教えていただきたい事があるのですが責任者(チーフ)になるには経験何年とか副責任者何年の経験が必要とかの決まりみたいな物があるのでしょうか?
コムさん
はじめまして。
責任者や副責任者になる、
実務経験ということですね。
これは勤める自治体だったり、
会社の方針により変わりますので、
一概にこれとは言えませんが、
僕の働いている会社や自治体のケースで、
話させてもらいます。
責任者 (チーフ) になるには、
大量調理の経験が最低4年、
副責任者 (サブチーフ) は2年と、
基準があります。
ただし、あくまでも基準なので、
それに見合う能力があれば、
すぐにチーフやサブになれる人もいます。
あとはタイミングや運も関わってきます。
上司がずっとその現場に居続けて、
チーフやサブクラスの能力があるにも関わらず、
ずっと3番手という悲しい方もいます。
ちなみに、僕が知ってる人で、
給食未経験で最速でチーフになった人は、
3年です。
僕はサブになるまで、2年。
チーフになるまで4年かかりました。
この記事にも書きましたが、
必ずしも早く上に上がれば良いということでも、
ありません。
じっくり、自分のペースで経験を積んで、目指すと
良いと思います。
経験上、この業界の人間たちは、
若い上司に舐めてかかってきます。
コムさん、給食業界、色々大変かもしれませんが、
4月から、がんばってください!