学校給食を取り巻く【人間関係】の悩みについて、徹底的にまとめてみた

2018年8月6日

 

あっくん
どうも!学校給食調理員のあっくんです。

 

学校給食を取り巻く、人間関係という大きな問題。

『給食 人間関係 悩み いじめ』

現在、これらのキーワードで僕のサイトに辿り着く人が後を絶たない状況です。

 

今回は給食業界の気になる部分でもある【学校給食の人間関係】について、この道、15年の僕の体験を踏まえながら、徹底的に解説していきます。

 

 




栄養士って、給食業界の神って本当?

現場の中では、チーフと栄養士は同じ立場と言われてますが、どこの現場も実際は違います。栄養士は神様です。

【給食室の組織図】

栄養士→チーフ→サブチーフ→社員→パート

↑給食室内ではこのような組織図になります。栄養士の先生が言うことは基本絶対。栄養士の前では、会社の人間たちは皆イエスマンに成り下がります。献立に関しても、人事に関しても言われるがままです。

なぜ、イエスマンになってしまうのか?

実際にあった話をもとにわかりやすく説明していきます。

 


実際にあった栄養士による権力エピソード

現場内に、物覚えが悪く、仕事ができない社員Aがいます。毎回、チーフはその社員Aに悩まされ、会社の上司 (エリアマネージャー) に代わりの人材を要求していました。しかし、会社の上司には、『社員Aの代わりの人はいない。会社も人手不足。決められた人材で現場をまわすのもチーフの仕事だから。』と言われ、その後も社員Aを抱えて、現場は仕事を続けていきます。

そんなある日、社員Aが仕事中に取り返しのつかない、大きなミスをしてしまいました。今まで、会社の人事には、立場上、口出しできないはずの栄養士も流石に黙ってはいられず、会社の幹部に電話。

『この体制はどうなのか?』と問いました。

そうすると一瞬で人事が動きます。チーフが言っても、なかなか対応してくれませんが、栄養士が言えば、一瞬です。それもそのはず。会社から見れば、栄養士は契約相手であり、大切なお客様のひとりだからです。この話を言い換えてみれば、栄養士に嫌われたら、

【その現場には、もういれない】

というのが現実です。これは社員のみではなく、チーフやパートに限ってもそうです。嫌われたら、そこでお勤め終了です。だから、この給食業界では、栄養士は神だと裏でよく言われてるのです。栄養士からの献立・調理に関しての注文も会社はそれを断ることができず、結果、栄養士がさらにエスカレートしていくという悪循環な環境。そんな大変な現場が数多く存在します。

 


その時々の機嫌で態度が変わるクソ上司

栄養士は神様と話しましたがチーフがパワハラ最低上司ってところもあります。チーフの人柄で現場内の空気も大きく変わります。過去の僕のチーフの話になりますが機嫌で態度が変わるチーフがいました。本当にその日のチーフの機嫌次第で現場の空気が大きく変わっていました。

 

以下、機嫌で態度が変わる上司の特徴をまとめてみました。

機嫌で態度が変わる上司の特徴

・休み明け (月曜日) は機嫌が悪い
・疲労や睡眠不足からもイライラをあたりちらす
・週末が近づくたびに機嫌がよくなる
・プライベートで良いことがあると気持ち悪いぐらい優しい
・仕事に追われるとご機嫌ななめになる

 

あっくん
このような人はわかりやすいと言えば、わかりやすかったですが、こっちも毎回対応が面倒で本当に困ってしまいますね。

 

機嫌が悪ければ常に怒鳴っていたり、現場内の空気は重くなります。逆に機嫌が良いときは気持ち悪いぐらい優しいし…喜怒哀楽が激しすぎます。

まぁ、部下は我慢して、この機嫌上司とうまくやっていくしか道はないんですけどね…

僕はそういう人を近くでみてきたので、機嫌で態度が変わるようなクズチーフにはならないように心掛けています。ただし、こういう人間は、この学校給食調理員という職種でなくても、どこの会社にも必ずいるんですよね。人間なので、ある程度は仕方ないことなのかもしれませんが、あからさまに態度が出てる人は、上に立つ人間には、ふさわしくないのではと個人的に思います。

だからといって、怒らないチーフもいけません。しめるところはしっかりしめないと、現場が緩くなって、崩壊してしまいますよ。


「チーフ (責任者) としてあるべき姿について」詳しく記載している記事があります。宜しければこちらをご覧ください。

 


パートが多い現場は要注意

どこの現場でも、パート問題は尽きません。必ずボスが存在します。そのボスがいなくなっても、おとなしかった人が、豹変し、また新たなボスが生まれます。そして、パートの数が多い現場ほど、あの人とは合わないから、一緒に仕事したくないという「ギスギス」「ドロドロ」とした、人間関係が必ず発生します。こちらの人間関係ですが、チーフに相談してもエリアマネージャーに相談しても、なかなか解決することはありません。


なぜなら、会社は法律上、人を辞めさせるのが難しいからです。

本人、もしくは、その相手が、自分から退職願を提出し、辞めていかない限りは真の解決は難しいです。あとは、嫌いな人でも、仕事だと割りきり、我慢して大人な対応をしていくしかありません。だいたい、そういう問題に関わる人は、仕事内容もありますが、コミュニケーション能力の低さが問題だったりもします。

パート内でも上を立てて敬い、しっかりコミュニケーションが取れれば、概ね、うまくいくのでしょうが…それでも実際はうまくいってない現場ばかりです。

 


「給食のパートのいじめ問題」について詳しく解説した記事がありますので、宜しければこちらをご覧ください。


 

誰かしらが我慢して成り立ってます。読者の中で、うちの現場は平和だよとか思う方もいらっしゃると思いますが、それは目に見えてないだけであって、裏では確実に存在してます。その対象がパートではなく、もしかしたら、社員に対してかもしれません。

 

あっくん
僕の経験上、全ての現場に何かしら必ずパート達の不満・問題がありました。

 



それでは「パートの不満・問題」について、実例を挙げて、解説していきます。

 


パートの不満・問題

①チーフの行動による嫉妬心

これは、昔の僕の上司 (チーフ) の話になります。年齢は60歳手前の男の責任者。このチーフは好きなパートと、嫌いなパートに対しての態度があからさまで、とてもわかりやすい方でした。

ある日、昔から真面目にコツコツ頑張ってるパートの方から、

『なんでチーフは新入りの○○さんにあんなに優しいの?』

と、当時、副責任者である僕に怒りの声が殺到・・・

僕はエリアマネージャーに相談して、エリアマネージャーからチーフに対して、注意はあったみたいですが、チーフの行いは、その後も変わりませんでした。次の人事異動の時期に、そのチーフは異動になり、翌年からは僕がその現場でチーフをすることになりましたが、僕はこれらのことを目の当たりにしてきたので、チーフになってからは (その当時から現在に至るまで) パートに対して、皆、平等に接するように努力してます。ですが、やはり、昔から長くやっているパートの方には、少なからず、贔屓してしまう部分はあります。もちろん、筋が通っていなければ、昔から長く働いてるパート(お局)に対しても、僕は容赦なく怒ります。

やはり、女性の方が多い職場では「あるあるな話」なので、チーフに限らず、給食業界で働いてる男性諸君はひとつひとつの行動に慎重になりましょう。


②個人能力値の差による給料問題

仕事ができるパート。仕事ができないパート。個人によって、能力値は様々なのは、仕方ないことですが、給料がほとんど変わらないのが、学校給食パートの実態。

中には、納得ができずに、『なんで、あの人と給料が同じなの?』と、チーフやエリアマネージャーに文句を言われる方もいます。これを言われてしまうのは、本当に困ってしまいます。

 

あっくん
正直、なだめるのが面倒ですわ…

 

ですが、ここでの対応を間違えると、そのパートはさらにつけあがるので注意しましょう。

それでは、どうすれば解決できるのか?

この問題の解決はとても難しいです。最低賃金の上昇により、パートの時給を上げるのも、難しくなってきているのが僕の会社の現状です。

さらに103万円の扶養の壁などを考慮すると、時給が50円上がるだけで、月の収入が1,000円ほど増えます。年間では12,000円。約2日間程、給食がある日にお休みしてもらわなければならないということになります。そうなると、人手が足りない現場には会社も応援用意する等、色々と面倒な事が発生してしまうので、なるべく時給を上げたくはないのが本音です。

そして、その文句を言っているパートだけの時給を上げてしまうと、その他のパート達も後々、知ってしまえば、『私たちも上げてくれ』とクレームが殺到するかもしれません。お金の問題は慎重に対応しましょう。まずは、話し合いです。怒っている方の理解が必要不可欠。

学校給食という仕事は、ひとりで作るのは難しい仕事であり、仕事ができないパートも必要だということを、怒ってる方に理解してもらうしかありません。

もし、話しても、理解してもらえないなら、

・学校給食はこういうものだから、他の仕事を探した方が良いのでは?

・パートより給料が高い、社員を目指してみたらどうですか?

など、言ってみるのも効果があるかもしれません。たいてい、文句が言いたい人は、ストレス貯めたくないから文句を言いたいだけだったり、自分の存在価値を認めてもらいたいが為に、文句を言っているだけだからです。慣れた仕事をなくなく、辞めたくないはずなんです。

 

あっくん
相手も事を大きくはしたくないはずなので、波風を立てないように気をつけて対応しましょう。

 


③「おつぼね」の権力

長年、給食室に住み着いている「お局パート」(モンスター)の権力は計り知れません。栄養士まで考え方を流されてしまう程、強大なものになりかねません。栄養士を操れるということは実質そこの現場の裏ボスになるということです。

僕が昔いた現場に20年以上その現場のパートをしていられる方がおられましたが、その方はやりたい放題でしたね。

実際にお局パートがした奇怪な行動


・余った給食はお持ち帰りが基本。
・若いパートに対して、タチの悪い姑のような態度で接する。
・仕事もチーフや社員に確認しないで、自分勝手な判断で仕事を進めてしまう。
・自分のミスには甘いが他人のミスになると徹底的に責める。

このようなお局が1人いるだけで、他のパート達も仕事がやりにくく、現場の空気は常に重くなってしまいます。会社的にもどうにか辞めさせたいのですが、こういう方に限って、仕事をしっかりこなしたり、協力的に出勤してくれていたりするものです。結局、いなくては困ってしまう存在ではあるので、「人間関係」うまくやっていくしか方法はありません。


給食業界に潜む〇〇ハラスメント集

学校給食で働いていると、こんなハラスメント (嫌がらせ) にあうことがあるかもしれません。読者の方にも心当たりはありませんか?


パワーハラスメント (パワハラ)

職場上の立場や優位性を利用して、嫌がらせ行為をすること。

『胸ぐらを掴まれる、暴力、悪口など』

 


セクシャルハラスメント (セクハラ)

職場内での性的な言動によって、就業環境が害されること。

『身体を触られたり、下ネタなど』

 


マタニティーハラスメント (マタハラ)

妊娠や出産、子育てをきっかけとして、職場で精神的・肉体的な嫌がらせをされたり、不利益な取り扱いを受けたりすること。

『給食なのに力仕事もできないのか』

【関連記事】

 


エイジハラスメント (エイハラ)

エイジ(age=年齢)を理由とした嫌がらせ。

『もう年だから覚えが悪い』

『最近の若者は礼儀がなってない』


【関連記事】

 


モラルハラスメント (モラハラ)

個人の生き方や価値観に対して、自分の考えが一番正しいと相手を否定するハラスメント。

『この現場はおれが責任者だから、おれのやり方は誰にも文句言わせない』

 


パーソナルハラスメント (パーハラ)

個人や集団に関わらず、個人的な理由によって、嫌がらせ行為をする。

『いじめ全般』

 


スメルハラスメント (スメハラ)

匂いによって、周囲の人を不快な気持ちにさせること。

『夏場の体臭など』


【関連記事】

 


問題を『言い合える』理想の職場

あなたの職場は『おかしい』と思うことをハッキリ言えますか?

これはなかなか簡単なことではありませんが、ハッキリ言い合える職場は良い職場だと、個人的に思います。

 

あっくん
僕は責任者ですが、僕の現場はみんな言いたいことをハッキリ言ってくれます。たまに、こんなことまで言ってくるのかと面倒に思うこともありますが…

 

言えない職場の原因に以下のことが考えられます。

「おかしい」ことが「おかしい」と言えない人の特徴

・上司や周囲の反応が怖い
怖い上司の前では、間違ったことを指摘することはできないものです。実際に僕もそうでした。だからこそ、そんな頭ごなしに怒る上司にはならないように僕は気を付けてます。あまりにも怒らない上司も舐められるので、この問題は難しいところですけどね。


・言うことをためらう
言うタイミングがわからなかったり、めんどくさくて、言うことをためらう人もいます。


・問題に気付けない、気付かない
ずっと同じやり方で仕事してきたので、今までのやり方が正しいと過信して、間違いに気付けない、他のやり方を知らないためにそのやり方が無駄だということに気付かない。


・表現できない
違和感を感じても、どこがどうおかしいかをうまく言葉に表現できない。

 


まとめ

いかがでしょうか。

今回は学校給食という人間関係について、お話ししましたが、ギスギス、ドロドロの人間関係は、この職種でなくても、どこにでもよくある話です。

 

あっくん
ハッキリ言わせてもらいますが、「人間関係」が疲れるとか面倒、イヤだと言う方が学校給食のお仕事をしようと考えていること事態が間違っていると僕は思います。

 

学校給食に「人間関係」はつきもの。「人間関係」合う、合わないは、実際にそこの現場で働いてみるまではわかりません。この仕事に興味があるのならば、「とりあえず、やってみろ!」ってことです。


この職種に興味があるのであれば、こちらの記事に学校給食調理員の全てが書いてありますので、ご覧ください。


 

社員やパートでも、学校給食の仕事を辞めた人が再び学校給食の仕事に戻る確率はとても高いのをご存知でしょうか?

その方々は《給食の仕事が嫌いで辞めたのではなく、人間関係などのトラブルにより辞めた可能性が極めて高い》からです。

 

あっくん
肉体的にきつい仕事で辞めたのであれば、わざわざ、また学校給食調理員をやろうとは思わないはずですからね。

 


今現在、給食調理員を辞めようとお考えの方はこちらの記事をご覧ください。


 

そして、これは僕の中での1つの結論。学校給食の現場の中で、栄養士とチーフの関係性が1番重要。現場の頭がうまくいってないのに、下の部下達がまとまるはずがありません。

そして、チーフとサブの関係、サブと社員の関係、パート同士の関係と、学校給食という仕事は、至るところで人と人とのやりとりが絡み合い、日々の給食が作られている職場です。

技術があれば、美味しい給食が作れるというのは大きな間違いです。この職業は、コミュニケーション能力が大きく問われる仕事です。

よい人間関係を築きあげて、チーム一体となり、安全で美味しい給食作りに励みましょう。